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【放課後チャレンジプロジェクト】子どもの「やりたい!」が全国で形に

皆さんは子どもの頃、放課後に「やりたいこと」や「夢中になれること」はありましたか?
放課後は子どもたちにとって、やりたいことにとことん取り組める自由な時間。 ただ、放課後の居場所の中には、子どもたちがやりたいと思うことに応えたくても、予算がない、思いっきりやれる環境がない、やりたい!の引き出し方や叶え方が分からない、といった悩みを抱えたところも。

放課後NPOアフタースクールでは、子どもたちが主体的に過ごす放課後が各地で展開していくことを目指して、 2023年7月から11月にかけて「放課後チャレンジプロジェクト」を実施してきました。

■「放課後チャレンジプロジェクト」とは?
全国から手上げしてくださった15の放課後現場の皆様に、2つの内容でサポートを行いました。
①子どもたちの「やりたい!」のきっかけとなる材料やアイテムをセットにした「活動スタートBOX」の提供
②放課後NPOスタッフが、子どもたちが主体的に活動できる工夫や事例を紹介する「プロジェクトサポート」

▼放課後チャレンジプロジェクトの詳細はこちら
https://npoafterschool.org/archives/news/2023/07/39796/

活動BOXは①ソーイングBOX、②こうさくBOX、③お祭りBOX、④外あそびBOXの4種類。この4つの活動テーマは、子どもたちに大人気、かつ子ども主導で取り組みやすい・継続しやすい一方、現場で初めて取り組む時や子どものやりたいに応えたいと思った時に、意外とお金や時間がかかってしまうもの、という観点から選ばれました。

前回のnote記事では、「こうさくBOX」の活動にぐっと焦点を当てていますのでぜひご覧ください。
▼前回の放課後チャレンジプロジェクトの記事
https://note.com/npoafterschool/n/ncbe4bdb9056e

今回は、プロジェクト期間中それぞれの活動で生まれたエピソードを、11月の最終報告会の様子と併せてご紹介します!


■地域人材の力も借り、子どもたちが自由に取り組むまで ~ソーイングBOX~
「ソーイングBOX」の活動には、沖縄県那覇市から2拠点が参加。
ソーイングは、針を使うという安全面の配慮が必要で、子どもにとっても少し難易度の高い活動です。

今回の拠点では、活動場所や人員の制約もある中、ソーイングBOXをきっかけに、まずは高学年を巻き込んで活動をスタートしました。そのうち、手芸好きの地域人材の手を借りるなど人員不足の面も工夫をしながら、今では低学年からのやりたい!のリクエストを受けるまでに至っているそう。「子どもたちが自分で自由に作品を作れる環境をつくること」を大切に活動を続けています。


■作りたいものを自由に決めて自由に作る ~こうさくBOX~
「こうさくBOX」の活動には、大阪府柏原市・新潟県佐渡市・沖縄県八重瀬町から各1拠点と、愛知県あま市の3拠点、計6拠点が参加。
工作は低学年を中心に人気の活動。一方で、ヒト・モノ・時間の制約によって、「いつでも自由に工作ができる」というよりは、大人がいつ・何を作るかを決め、子どもたちには決められた工作を楽しんでもらう、という形を取っている放課後現場も多いと思います。

こうさくBOXをお届けした拠点の中にも、まさにそういったケースがありました。月1回の放課後子供教室で、時間が限られているからこそ、完成したものを持って帰ってほしい!という思いから、今までは大人主導の作品づくりをしていました。
そのため、活動をスタートする際、スタッフの皆さんからは「子どもたちに自由に工作させたら収集がつかないのでは?」「材料だけ渡しても自由になんて作れないのでは?」といった不安の声があったそうです。

ですが、今回のプロジェクトをきっかけに、子どもたちにどうBOXを見せるかをスタッフミーティングで話し合ったり、子どもたちの自由度が高まるようBOXを真ん中に置くレイアウトに変更してみたりするなど、大人側も新しいチャレンジをしてみたそう。
その結果、子どもたちが夢中になって楽しむ様子を見ることができたとのこと!「子どもたち、こんなに自由にできるんだ!」「子どもたちの想像力に驚き!」と、スタッフの皆さんの新たな気づきと喜びの声を聞かせていただきました。


■子どもたちがつくるイベントがアツい! ~お祭りBOX~
「お祭りBOX」の活動には、鹿児島県南九州市、埼玉県さいたま市、東京都江東区、兵庫県明石市の4拠点が参加。
お祭りは、夏の恒例行事として取り入れている現場もあるかと思います。一方で、企画や準備に時間がかかって大人が力業で仕上げたり、物を揃える余裕がなくて子どもたちがやりたいことを思う存分できなかったり、といった悩みを持っている現場も多いのではないでしょうか。

今回の参加拠点では、これまでイベントは基本的に大人が準備するもので、子どもたちが役割を担うことはあまりなかったそう。しかし、お祭りBOXをきっかけに、子どもたちからお店を担当してくれる実行委員を募集し、初めて子どもたちが役割を持ってイベント準備を進めました。お祭り当日は70人規模の来客で、大成功!

準備を進める中で、「子どもたちの仕事を取らず、あくまで見守りを」と大人側のサポートの仕方も統一されたそうです。大人たちはどうしても「もっとこうした方が良いのでは…?」と、先回りして手を出しがちですが、そこをぐっとこらえて子どもの力を信じてみる、という姿勢も大事ですよね。

今まで大人がやるものと思っていた部分を子どもたちに任せてみることで、「子どもの力を再発見できた!」「今後も継続して子ども主導の活動をやっていきたい」と、スタッフの方も意気込まれていました。

別の拠点の後日談では、毎月「チャレンジプログラム日」を設定し、「お祭り」というテーマから飛び出して、外あそびや室内遊びなど日常の中でも、子どもたち自身でやりたいことを話し合って実際に取り組み、振り返るところまでを繰り返し行っているそう。

放課後チャレンジプロジェクトで願っていた「子どもたちがやりたいことを叶える仕組み」が、お祭りBOXというきっかけを通して浸透して行っている様子に感激を受けました。


■子どもの遊びの発想力は無限! ~外あそびBOX~
「外あそびBOX」の活動には、愛知県名古屋市、沖縄県那覇市、同じく沖縄県八重瀬町からの3拠点が参加。
身体を動かす外あそびは一番と言っても良いほど人気な放課後の過ごし方です。BOXを通して新しい遊びを発見し、いつもの外あそびがスペシャルなものになったら良いなという思いで、活動テーマの一つに入れました。

場所や資源に限りがあって、子どもたちの遊びの発展がないという課題感をお持ちだった拠点では、子どもたちからのやりたい!の声を受け、姉妹校とサッカーの交流試合を実施したとのこと。試合に向け子どもたち自身で作戦会議するなど、外あそびを通して子どもたちの主体性が引き出され、成長していく様子がうかがえました。

またスタッフの皆さんも、新しい遊具を使った斬新な遊び方には「遊びの天才だな!」と肯定的な声掛けをし、子どもの発想を絶対に否定しないことを伴走の中で徹底されたそう。すると新しい遊具のおかげで子どもたちの遊びの幅がどんどん膨らんでいき、子どもたちの発想・想像力に大人も驚いた!とのことでした。

BOXをきっかけに子どもたちがやりたいことにのびのびチャレンジしたことと、スタッフの皆さんの子どもたちのやりたいに応えたい気持ちとの素敵な相互作用ですね。


■子どものやりたい!に伴走する仲間たちの時間 ~最終報告会~
11月22日(水)には、全参加拠点の皆さんと放課後NPOのスタッフがオンラインで一堂に会し、4か月間の活動を振り返る集大成、「最終報告会」を行いました。

参加拠点の皆様からの活動報告に加え、ざっくばらんに語り合うフリートークの二部構成で実施。フリートークセッションでは、「子どもたちに片付けをうまくやってもらうコツは?」「遊びのルール決めどうしている?」「地域とコラボしてイベントつくっていてすごい、どうやって繋がりをつくったの?」など、共感できるトピックスがとてもたくさんあり、素晴らしい盛り上がりでした。

放課後児童クラブ、放課後子供教室、第三の居場所など、運営形態や開室日数、規模はそれぞれ異なる参加拠点の皆様ですが、同じ放課後の時間で真剣に子どもたちと向き合ってきた皆様だからこそ、同じ温度感でお話することができたと感じています。
日々全国各地で子どもたちに向き合い、子どものやりたい!に伴走されている仲間がこんなにたくさんいるとは…と胸が熱くなる時間でした。

放課後NPOでは今後も、子どもたちが「居たい・行きたい・やってみたい」と思えるような放課後の充実を目指し、それを支えるスタッフの皆さんと共に歩んでいきます。
今年度の放課後チャレンジプロジェクトにご参加くださった皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

文/放課後NPOスタッフ・白

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