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【編集編!そしてついに完成!】物語で想いを伝えるプロジェクト #千駄木act

子どもと大人が対話を重ねて地域の課題や可能性を自分ごと化し、小学生と高校生が協力してイマジネーションを膨らませながらショートフィルムを制作することで、みんなが願う未来の形を10代ならではの視点で社会に提案する「物語で想いを伝えるプロジェクト」

文京区への想いを持って集まった6人の高校生たちは、小学生の願いを受け止め地域の物語を紡ぎ、12月半ばに自分たちの力で撮影を終えました。
(撮影までの道のりはこちら!

いよいよ作品完成に向けた最終段階、編集パートに入ります。

映像の編集はいまや小学生でも簡単に使えるようなアプリケーションが数多くありますが、今回はできるだけ本物の表現にこだわり、これから彼らが生きていく中で誰かに想いを伝える時にクリエイティブの力を強みにしてほしいと願い、
Blackmagic Design社の「DaVinci Resolve」を使うことにしました。
カメラをiPad Proにしたのと同様に、プロと近い環境で制作を行ってほしい一方で、プロジェクトが終了しても継続できるように無償版でかなりの機能を網羅しているDaVinci Resolveは完璧な選択だったと感じています。

(Blackmagic Design社 サイトより引用)
DaVinci Resolve 16は、プロ仕様の8K編集、カラーコレクション、VFX、オーディオポストプロダクション機能を統合した、世界唯一のソリューションです!

上記のとおり、1つですべてのことができるので完成までの全工程を行う方も多いですし、1番の強みであるカラーをDaVinciで行い、別の編集ソフトと連携させることも好まれています。
今回はすべてをDaVinciで完結させるため、その素晴らしさと全機能を最も的確に愛を持って伝えてくださる方に教えていただこうと、勇気を出してブラックマジックデザイン株式会社様に直接お願いをしてみました...!
日程も決まった状態でかなり幅広い内容でのご相談だったので難しいだろうと予想していたのですが、なんとすぐに調整してくださり夢のような回が実現しました!

「仕事でDaVinci Resolveを使用される方や大学生など、業界内でのトレーニングはよくあるのですが、私たちも自社製品を多くの方に知ってほしいですし、教育分野でお役に立てる機会があればと思っていたのでとても興味深いです」
とあたたかいコメントをくださったのは、今回レクチャーをしてくださったブラックマジックデザイン社プロダクトスペシャリストの中村拓朗さんです。ご自身の作品をつくっていらっしゃる映画監督でもあります!

DaVinci Resolveは各所で認定トレーナーの方によるトレーニングが行われていますが、社内トレーナーの方は数少ないので中村さんに教われる機会はとても貴重です。しかも高校生へのトレーニングは初めてとのことで、もしかして公式トレーニングを受ける世界初の高校生なんじゃないかと興奮しました...!
2時間という短い時間の中で編集方法もカラーの楽しさも盛り込んでいただきたいというとっても無茶なお願いを快くお受けくださりもう本当に感謝に絶えません。そしてその内容は本当に素晴らしかったです。

はじめにDaVinciを使ってつくられた作品リールを見せてもらうと、誰もがみたことのある有名作ばかり!高校生どよめき(笑)


続いて世界一素晴らしいカラーコレクション、グレーディングについてデモ素材を使って学びます。


なんとこの日のためにブラックマジックさんがパネルも持ってきてくださいました!



色の彩度、明るさ、深み、話し合いながら色々と変化させていきます。肌の色だけを抽出してきれいにしていくとまるでお化粧品の広告のように!
「あぁ!ここを触るとこうなるのか!」とどしどし進めていく高校生たちの吸収力とセンスの良さに中村さんも驚いていました。

「もっと白っぽい方がいいのかな、いやそうでもないか」と試行錯誤している高校生たちに中村さんが一言。


「正解はないんだよ。自分がいいと思ったらそれが一番いい色」と伝えてくださいました。

授業や勉強の多くはまだまだ正解を求められがちです。もちろん見てくれる人に喜んでもらえるように相手の好みに合わせたり、"今の世の中でこういう表現が好まれる"などはありますが、ただなんとなくではなく、作り手の想いを込めたアウトプットは、他の誰にも否定できないたった1つの正解なのです。
より自分のイメージするものをこだわり抜いて表現すること、そしてそれが正しさや楽しさであるということを経験として与えてくださった大切な時間でした。


途中から実際の撮影素材を使って編集の操作を教わっていきました。iPadでの撮影素材はすでに色がしっかりと入っていて、かつバランスコントロールもされているので今後いろんなカメラで挑戦できたら撮影も編集もさらに楽しいですね。高校生たちも最後まで色々と質問を重ねていました。

最後に中村さんに感想をお伺いすると「大人向けのトレーニングは参加者の方が険しい表情になっていったりするんですが(笑)、高校生は素直な反応で楽しんでくれて僕も楽しかったです!」とコメントくださいました。
本当に貴重な機会を届けてくださった、株式会社ブラックマジックデザインの中村さん、そして実現にご尽力くださった村杉さんに心より御礼申し上げます。
ありがとうございました!!!

初めは机に向かって物語を思い描いていたところから、撮影をして、編集をして、だんだんと形になっていく楽しさを実感していく高校生たち。
完成まであと少しです!

日を改めてDay6。

DaVinci Resolveの使い方を習った高校生たちは、本格的に編集作業を進めていきます。
ここからは再びEXIT FILMの田村さんと、どういう編集をしたらつくりたいイメージに近づけるのか、音楽の効果的な使い方などなど細かく作り込んでいきます。


BGM選びのツボにハマって抜け出せなくなっている様子。


音の切り方やカットの終わり方が半端なものと、きちんと整えてあるものではクオリティの差がとても目立ちます。そうした細かいところにどこまで心を尽くせるか、時間との戦いです。
今回の作品、「色」の編集がとても重要になっていて、適当に済ませてしまえば早いですが、本気で取り組むと結構時間がかかります。魂は細部に宿る。年末年始に自主的に進めてくることになりました。がんばれ、高校生!



2020年1月8日(水)、ワークショップの最終回となったDay7。この日は最後の仕上げです。
田村さんのフィードバックをもらいながらみんなで相談し合い、細かい部分を修正していきます。本当に色々ありましたが、納得のいくものがなんとか完成しました!

編集は孤独な時間もありますし、スキルや知識が追いつかずにうまくできないことももちろんあります。
その1つ1つをどう乗り越えていくのか。そしてそもそも何のためにこれを続けてきたのか、それぞれが自分と向き合ってきました。

Mくん
これまでフリーソフトを使ったことはあったけど、その先を経験できてすごいと思った。撮影も1日で終えられるんだと思ったし、これから他の作品を作るときに生かしていきたい。

Kくん
物語の作品を作ったのは初めてだった。撮影や編集も好きで、それが形になって人に伝わるのは嬉しい。これからもやりたい。

そして最後に田村さんから高校生たちへメッセージをいただきました。

仕事としての映像は今すでにたくさん広がっている一方で日本のクリエイティブの地位はまだまだ低いので、大量生産に巻き込まれてしまうこともあるから、しっかり突き詰めていくならちゃんと努力をしなきゃいけない。
間違った努力をさせてしまう会社も中にはあるけど、楽しくやれる場もたくさんある。何もしないと将来やりたいことを選べなくなっちゃうから、努力のタイミングをどこに置くかだよね。
今、みんなはそういうチャンスに手をかけてしまったので、もしやりたいなら続けていけばいいと思うよ

ちょうど学校での進路相談などが始まった子もいて、好きなこと、やりたい、できること、どこまでやる?など色々な悩みを抱えています。

田村さんの言葉を受けてこんなふうに言ってくれた子もいました。

「大変な世界だと教えられて、しんどいと言って諦めてしまうのは情けないと思うんです、そりゃそうだよなと受け止めつつ、しんどいということをちゃんと知っているのが大事なんだと思いました。
そして「好き」を続けていきたい。そのために楽しい方がいいけど、楽しくないことも頑張らなきゃいけないと思う」

===
高校生とともに戸惑い、悩み、苦しいこともたくさんありましたが、彼らがどこで変わったかを見逃していないとしたら、高校生同士の関係性が友達に近づいた時だったように思います。
今回のプログラムは、地域の方々の声を聞いたのが小学生でした。かつ発表のタイミングなどは決まった状態で映画づくり編(高校生編)がスタート。募集の段階でそれらを踏まえて応募してきてくれた子たちですが、地域のことを自分ごと化するのは簡単ではなかったと思います。きっと彼ら自身が現実のプロセスを踏みながら物語をつくっていったこと、自分だけではできなかったことを仲間がサポートしてくれたこと、そのすべてが1つの物語として紡がれて、好きだから続けてみたい。イメージを形にするのに必要なことを知らないから調べる。そして本物を教わる、を一歩一歩続けてきたことが作品に表れたように思います。
彼ら自身がこれを学びと感じてくれていたら嬉しいです。参加者インタビューやきちんとしたフルレポートは今年度中に展開したいと思います!!

最後に、初めてでどう進んでいくかわからなかった本プロジェクトを応援してくださった文京区の地域の皆様、高校編の実施やその他サポートを全力でしてくださった都立向丘高校様、特別トレーニングを実施してくださったブラックマジックデザイン株式会社様、そして小学生編から高校生編まで全10回のプログラムで子どもたちに寄り添い、作品完成までのすべての旅をご一緒くださった株式会社イグジット・フィルム田村祥宏さんに多大なる感謝を込めて。
本当にたくさんの方に応援いただき、支えていただきここまで来られました。本当にありがとうございました!!

今回の取り組みを今後の地域連携、子どもも大人も一人ひとりが最高に楽しいと思える放課後づくりに最大限活かしていきたいと思います。

【完成作品はここで上映されます!】
第26回コミュニティプラザ
日時:2020年1月26日(日)
13時開演(開場時間:12時30分) 終演時間(予定):16時30分
★本作「えがおいろのあかり」は14時40分より上映・発表予定
場所:文京シビックホール 小ホール
(文京区春日1-16-21 文京シビックセンター2F)

こちらは区内の青少年が日頃取り組んでいることの成果発表の場として、例年地域の方400名程が訪れます。こちらで上映と発表の機会をいただきました!
ぜひぜひ多くの方にご覧いただけますと幸いです。

作品タイトル「えがおいろのあかり」
あらすじ:ある日、家族と喧嘩をして家を飛び出した高校生のあかり。すると住み慣れた文京区の街から色が消えていることに気づく。
戸惑うあかりは、街の人たちとの出会いの中であることに気づいていく・・・。

文:放課後NPOアフタースクール/すずきかおり

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