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【南あわじ市:3年間の軌跡】(2)「放課後が、楽しい!」子どもと保護者の思い

放課後NPOアフタースクールは2019年より兵庫県南あわじ市の放課後事業支援を行なってまいりました。地域の皆様とあゆみを重ねながら4年目を迎えた現在、南あわじ市の放課後の変化を現地の方々と実感することが増えてきました。今回、四国エリアで活動されているライターの中村明美さんにご協力いただき、南あわじ市の放課後を取材。全6本の記事をご寄稿いただきました。南あわじ市の放課後に起きたことをぜひ多くの方にご覧いただき、放課後の時間が持つ様々な可能性を感じ取っていただけたら幸いです。


2:「放課後が、楽しい!」児童と保護者の思い

南あわじ市で、アフタースクールが始まって4年目。子どもたちや保護者はどんなふうに感じているのでしょう?3年生まで学童に通い、4年生から体制がアフタースクールになったことから、両方を知っている上級生。さらに入学した時からアフタースクールに通っている下級生とその保護者の方に、お話を聞いてみました。

 

特集記事 目次:
1:自治体直営の学童保育をアフタースクールへ !モデル校第1号の現場から
2:「放課後が、楽しい!」子どもと保護者の思い ←今ここ
3:スタッフが、前よりも自分らしくなっている?モデル校第2号、広田スタッフ(仮題)
4:「自分も、子どもも、どう楽しむか」まちの先生の思い(仮題)
5:子どもたちが行きたい、楽しいと思える放課後にしたい。市役所職員の思い(仮題)
6:「学ぶ楽しさ日本一」!南あわじ市守本市長×放課後NPOアフタースクール平岩代表(仮題)

 

前半は、入学時から八木小アフタースクールに通っている2年生、鈴木爽良(そら)さんと、保護者の鈴木真由さんにお話を伺いました。モデル校2校目の広田小でも2年生の佐野孝輔さんと保護者の佐野亜紀さんに伺っています。

後半は、八木小アフタースクールに通って4年目となる6年生、松下莉桜(りお)さん、浦瀬加瑛愛(かえら)さんのお二人に心境の変化を聞きました。そうです。特集第一回目で話題に上がった、YU-KO先生のダンスのプログラムで「成長した6年生」として話題に上がった子達です。

モデル校1校目、八木小学校。保護者と子どもの気持ちは…「ただの預かりじゃない」
さて、入学当初から、既に八木小学校がアフタースクールになっていた鈴木さん親子のお話からはじめましょう。鈴木さんは、アフタースクールのことを理解していたかというと、そうではありません。もちろん、他の保護者さんたちも同様のようです。

「最初は、全くわからなくて。大半の親御さんがお仕事されててこちらに預かっていただくと思うんですね。私も当初、<学童>という認識だったんですが…」

しかし、1年半、爽良さんの様子を見て、「ただの預かりじゃない」と実感したのだそうです。

爽良さんは、家庭ではプログラムで教わったダンスを家族に見せたり、アイロンビーズなど新しく知った遊びを家でも熱中したり、たくさんアフタースクールから受け取ってくれているようです。
「こういうことも好きだったんだ、興味があるんだ、ということがわかってきたんです。本人の興味があってのことではありますが、そろばんやダンスなどもやってくれるので、さまざまなチョイスの中で、何かが将来につながっていくかなと思ってみています」と嬉しそうに話してくださいました。

それから。
鈴木さんは、アフタースクールでの素敵なエピソードを教えてくださいました。

「お友達の本好きのお子さんの話ですが、その子がアフターの時間の中で、自分で好きな物語を書いていたそうなんです。
スタッフの方が、ある絵本作家さんとその子との間を取り持ってくれて。作家さんが、その子の物語を製本してその子にプレゼントしてくれた、という話も聞きました。
スタッフのみなさんに、子どもたちの才能を引き出す目があって、また才能がわかる人に繋げていってくれるって嬉しいですね」

最後に、鈴木さんは、アフタースクールでのつながりは、放課後以外の休日でも生きていることを教えてくださいました。公園で会っても、高学年の子たちが一緒に遊んでくれるとのこと。

「本当にありがたいですね。この子がこちらで過ごしている間は、<子どもとしての時間>を有効活用してくれているように思っています」と期待してくださっています。

モデル校2校目広田小学校。「2年生までと思っていたけれど、まだ続けて通わせたい」

モデル校第2校目の広田小学校では、どんな雰囲気なのでしょうか。広田小6年生にも上のお子さんのいる佐野さんは「上の子は学童に通っていましたが、アフタースクールは、学童保育とは違いますね。ただの学童保育ではない、プラスの遊びや体験がいっぱいある時間なんだな、と思っています」と話してくださいました。

プログラムでは「将棋が一番好き」という孝輔さん。「将棋は、家族もやりますが、(市民先生たちが)家ではなかなかできないところをしてくださっています」(佐野さん)とのこと。他の学校の子達とオンラインで繋いで勝負するのも楽しいよう。

「家に帰ってから、この子が『今日も、あんなことしたよ、こんなことしたよ』と教えてくれるんです。自分でアフタースクールのカレンダーで、プログラムのスケジュールを確認していますね」と佐野さんは、孝輔さんが放課後を楽しんでいる様子を教えてくださいました。

実は、利用するのは、2年生までで終える予定だったそう。ところが、「アフタースクールが楽しすぎるようで、このまま色々な経験をさせてもらえるから、継続の方向です」(佐野さん)。

第1校目の八木小、そして2校目の広田小でも、「放課後をゴールデンタイムに」という放課後NPOアフタースクールの思いは、子どもたちを通じて、保護者の方にも伝わっているようです。

6年生の気持ち。「アフタースクールがあるから、”早く学校へ行きたい!”と思う」

さて、第1回目のスタッフたちのお話でも話題に出てくる面倒見の良い高学年を代表して、八木小学校の6年生 松下莉桜さん、浦瀬加瑛愛さんにお話を伺いしました。松下さんは学童時代から、浦瀬さんはアフタースクールになってから通い始めたようです。

浦瀬さんは「”からだ遊び(※)”とかしているの、楽しそうだなと思って。自分から行きたいと言ってアフタースクールに来ました。コロナじゃなかったら、大体、毎日来てると思う」のだそう。(※マットや平均台を使って体を使った遊びをする、八木小アフタースクールの屋内プログラム)

「プログラムのある日は、学校に早く行きたい、と言う気持ちになる」(浦瀬さん)のだそうです。二人は、特に、第1回で登場したYU-KO先生のダンスプログラムが大好き。

YU-KO先生が来ない日は「やりたいからやっていい?って聞いて、6年生になってから自分らで、振り付けとか考えて、下級生と踊ったりしてる」(松下さん)とのこと。楽しい時間を主体的に選び、楽しみ尽くす経験から、自然に主体性が育っているよう。

ダンスを超えて、二人は市民先生のプログラムのない日は、スライム作りや、椅子取りゲームなど色々なプログラムを考えて提案することもあるそうです。お化け屋敷をした日は、仮装してプレゼントも用意するほどの周到ぶり。もはや市民先生ならぬ「子ども先生」ですね。

「年下の子のお世話が好き!」と声をそろえる二人。松下さんは「みんな楽しそうにしとって。参加してくれた子が『またやりたい』っていうてくれたのが嬉しかった」とハキハキ答えてくれました。

アフタースクールは、学校の敷地・施設を使います。「君たちが過ごすのは同じ建物だけど、学校の時間と放課後のアフタースクールの時間って違うの?」という質問をしてみました。

「全然違う!」

二人は、声を揃えて大きな声で答えてくれました。
浦瀬さんは「アフタースクールは、指示されないから、楽しい。学校やったら、絶対やらなあかんところがある。けど、アフタースクールは、自由に参加したりしなかったりもできるし」

「自分の自由なことができるし、プログラムも自分で考えたりもできる。むっちゃ楽しい」(松下さん)

自由な放課後を思い切り、自分のありのままで、下級生たちと楽しむ二人です。
こんな成長をする子どもたちが自然と生まれてくるのが、アフタースクールの魅力かもしれません。

文:中村明美

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