【食育プロジェクト】チョコレートのピンチを救う一歩に!
食育プロジェクトでは、「人と地球の健康を考える」をテーマに、子どもたちが世界の食糧問題や食の大切さを学ぶ出前授業を、食品メーカーの不二製油株式会社とともに小学校や放課後の時間へ届けています。
2023年度にカカオをテーマにした新しいプログラムが完成し、2024年度からは公募をして広くお届けを予定しています。今回は、実際に子ども達へお届けした2回のトライアルの様子を通じて、プログラムの内容をご紹介します。
▼「未来を守るチョコアクション」プログラムについて
「未来を守るチョコアクション」は、普段身近に食べられているチョコレートが将来食べられなくなるかもしれないという現状を伝え、カカオの生産地で起きている様々な課題や、立ち向かっている人々の取り組みについてクイズや動画を通して子ども達に知ってもらい、自分たちでできる次のアクションを考えるプログラムです。
▼プログラム実施の様子
プログラムの実施前から、「チョコレート食べたい~!」と目を輝かせながら部屋に入ってきてくれた子ども達。私たちも子ども達がどんな反応をしてくれるか、始まる前からドキドキ、ワクワクです。
プログラムは、世界で第3位の量の業務用チョコレートを作っている不二製油株式会社のスペシャル先生と放課後NPOの司会者で進行していきます。
「チョコレートは好きですか?」の質問に、子ども達は元気よく「大好き」「よく食べてる!」と次々に手を挙げてくれます。
「チョコレートって何からできてるか知ってる?」と聞くと、「カカオ」と次々に教えてくれて驚きました。実物大のカカオの模型を子ども達に見てもらうと、「初めて見た」「不思議な形」とカカオを手に取って興味津々な様子です。ただ、このカカオが今のままでは将来食べられなくなるかもと伝えると「え!」「嫌だ」と一瞬静まっていました。
チョコレートのピンチを救うために、スペシャル先生の会社でも作られている「地球にやさしいチョコレート」について知って、今度は多くの人に伝えてほしいことを話すと、子ども達も真剣に聞いてくれていました。
プログラムの中では、カカオがどのようにチョコレートに変わるのか、どんな国でカカオが作られているのか、またカカオを作っている国で起きている困った事を、アニメーション動画やスペシャル先生からのお話を通して、子ども達により分かりやすく伝えています。
普段何気なく食べているチョコレートですが、カカオを作っている国では、カカオを作るために森林を壊してしまったり、自分達と同じぐらいの子ども達が作っていて学校に通えていなかったりするということを知って、子ども達からは驚きの声が聞かれました。
これからもずっとチョコレートを食べられるように、スペシャル先生の会社で取り組まれている「サステナブル・オリジン」という活動で作られたカカオについて知った子ども達。今度は、子ども達が未来のチョコレートを守るためのアクションとして、周囲の人に「地球にやさしいチョコレート」について伝えるパッケージを考えてもらいました
初めはどのように書こうか迷っている子もいましたが、オリジナルのイラストで表現したり、どういうチョコレートなのか分かりやすい名前を付けたり、限られた時間の中でも自分の想いを形にして次々とアイデアが湧き出てくる子ども達にとても驚かされました。
最後に実際に「サステナブル・オリジン」の活動で作られたチョコレートと、プログラムの内容を振り返ることができる冊子をプレゼント!
スペシャル先生から、「今度はみんなから身近な人に、今日知ったことや地球にやさしいチョコレートについて伝えてください」とメッセージをいただいてプログラムは終了です。
▼子どもたちからのメッセージ(抜粋)
・カカオを作る国のもんだいを知れたり、ちきゅうにやさしいチョコレートのことをみんなに伝えたいという思いが出てきました。(2年生)
・チョコレートがなくなってしまうといやなので、みんなに地球にやさしいチョコレートを伝えたいと思いました。(5年生)
・どうやって食べられないのをふせぐかをよく知れました。(3年生)
・チョコレートが大人になったらなくなるかもしれないときいて、ビックリしました。チョコレートがなくなってほしくないので、工夫をしたいです。(3年生)
今回のプログラムに参加してくれた子たちが、チョコレートを食べる時に今回のプログラムのことを思い出して、自分たちでできることをこれからも考え続けてほしいなと思います。
プログラムに参加してくれた子どもたち、実施にあたりご協力をいただきました皆様、本当にありがとうございました!
文・「食育プロジェクト」担当/小原