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【密着!】子どもたちが小倉少子化担当大臣に外あそびの環境整備を求める意見書を提出

11月2日(水)、小学5・6年生の子どもたち6人と「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」とともに、思い切り外あそびができるような環境をつくってほしいという要望をまとめた意見書を、内閣府にて小倉少子化担当大臣に提出してきました。

意見書は、9月下旬に行った「子ども作戦会議」内で、都心や郊外に住む小学生11人が意見を出し合った「こんな遊び場や公園で、こんな外あそびがしたい!」をもとに、子どもたちの声をまとめたものです。

この作戦会議に参加してくれた子どもたちの中から、千葉県と神奈川県の小学生6人が、大臣への申し入れをするために東京の霞が関へ集結しました。当日は、内閣府大臣室で大臣に意見や思いを直接伝えたり、衆議院第一議員会館で記者会見に応じたりと、大人でも緊張するような環境でみんな頑張ってきました。
そんな子どもたちに密着した様子をお届けします。

■学校終わりに内閣府集合!厳重な警備を抜けて内部へ
参加してくれた子どもたちそれぞれが、電車に乗って東京まで来てくれました。家族以外と出かけるのは新鮮かつ、ちょっとした旅行気分でもあったようで、初めてのSuicaに興奮したり、銀座乗り換えで「これが銀座の風か~」と味わっていた子もいたそうです。

そんな旅路を経て、内閣府に到着。通行証を受け取って、中へ入っていきます。機械に一人ひとりカードをピッとすることにもドキドキな子どもたち。「記念にこのカード持って帰れないかな?」との声には場が和みました。

そして大臣室近くの部屋でしばし待機。大人の多さや慣れない環境、迫る大臣への申し入れにソワソワします。友達同士で話したり、持ってきた資料を改めて確認したり…。



周りの大人の方々も子どもたちに声をかけてくださいました。元陸上競技選手で400mハードル日本記録保持者の為末大さんや、衆議院議員の井上信治氏が「今日はどこから来てくれたの?」「どんなことを話すの?」と子どもたちの緊張を和らげてくれました。


そして準備が整い、いよいよ大臣のもとへ…!

■いざ本番!関係者や記者に囲まれながら、小倉大臣と対面
挨拶を交わしながら大臣室に入り、大人たちと一緒に大臣の横の椅子に座ります。小倉大臣は笑顔で迎え入れてくれ、早速子ども代表の小学5年生の男の子が意見書を読み上げます。

「外あそびをもっと自由に楽しむためには、どんな場所があるといいかを子どもたちで話し合う作戦会議をしました。そこで出た意見をまとめて提出します。」


そして、子ども代表の子が意見書に書かれた内容を一生懸命伝えてくれました。

まずは話してくれたのは、作戦会議で出た子どもたちのさまざまな意見です。
・通っている放課後子供教室では校庭が使えてサッカーができるし、大人の目があって困ったときは相談できる
・広い公園がなくて、マンションの駐車場スペースで車に気を付けながらボール遊びをしていたら「子どもがロビーや駐車場で遊ぶことは禁止」と掲示板に張り紙をされた
・塾や習い事で忙しく週2回くらいしか外で遊べない
・ゲームの方が楽しい

作戦会議でのこのような意見をまとめて、次の4つのお願いをしました。

①ぼくの学校のように放課後、校庭で大人が見守ってくれて鬼ごっこやボール遊びが思いっきりできるような安全な遊び場所が欲しいです。
②習い事の合間に少しでも遊べるようなスペースや公園を、地域にもう少しつくってほしいです。
③ゲームが好きな子は外でもスリルがほしいと言っていました。ちょっと挑戦したくなるようなスリルあるアスレチックや、ちょっと休めるツリーハウスがある遊具がたくさんあると嬉しいという意見もたくさんありました。そういう公園も欲しいです。
④最後に、思いっきり身体を動かせてボール遊びのできる芝の広いグラウンドがあると嬉しいです。校庭のじゃりや道のコンクリートは転ぶととても痛いです。

大勢の大人に囲まれ、テレビカメラやスマホが向けられる中、本当に堂々とした発表でした!

小倉大臣からは「今度の春から「こども家庭庁」という子どもたちの声を大切にみんなを応援していく場所ができます。このようにみんなの想いや考えを届けてくれて、どうもありがとう。子どもたちのための機関なので、大人が中心になるのではなく「子どもたちを真ん中に」することをいちばんに考えてきたいと思っています。」とのお話をいただきました。

そして代表の子どもだけでなく、その他5人の子どもたち全員が一人ずつ自分の意見を言えることになりました。

この日のために、自分たちが伝えたいことを紙にまとめてきた小学6年生の男の子。照れながらも紙を取り出します。

本当は、ツリーハウスの設計図も描いて大臣に手渡ししようと計画していたそうですが、なんとも残念なことに忘れてきてしまったそうです。

子どもたちは意見書の4つのお願いの他に「ボール遊びをしていると、隣の家などにボールが飛んで行ってしまうことがある。フェンスをつけてほしい。」「公園の中にベンチ以外で休憩できるところがあればいい」などさまざまな意見を伝えました。
小倉大臣は、一人ひとりの意見に対して返答をしてくださり、子どもたちに向き合ってくださいました。


同席した当団体の代表平岩も、小学生の放課後の課題に取り組んできた立場から、放課後の重要性と外あそびの環境をつくり支える人材の確保について大臣に意見をお伝えしました。

「子どもたちの提言にあった「思い切り遊べる安全な環境」として、放課後の学校活用が重要だと認識しています。放課後の校庭開放の促進と、それを見守る放課後事業の人材増加・育成が不可欠です。」

子どもたちの意見に付け加える形で、放課後や学校活用の重要性を訴えました。

■記者会見でも子ども一人ひとりが意見を伝える
30分ほどの大臣への申し入れは、あっという間に終了しました。大役を終え、一息つく子どもたち。伸びをしたり、首をぐるぐると回したり。

そしてホッとするのも束の間、次は記者会見です。衆議院第一議員会館へ足早に移動します。

会場に到着すると、新聞記者やテレビカメラマンの皆さんが座っていました。早速、大臣への申し入れについて、まずは大人たちが話しました。

その後の記者の皆さんからの質疑には、子どもたちに向けられたものもありました。ここでも一人ひとりが自分の意見を話すことができました。

Q.大臣に4つのお願いを申し入れましたが、どれをいちばんに始めてほしいですか?

「ぼくは、④の広い芝のグラウンドをいちばんにつくってほしいです。そこで思い切りサッカーがしたいです。」
「ぼくは、③に書いているゲーム性のあるアスレチックで遊びたいです。家でゲームをして遊ぶ人たちも、外に興味を持ってくれると思います。それに住んでいる近くの公園の遊具は、遊び尽くしてつまらなくなってきてしまったから。」
「子どももお年寄りも集まれるような広い場所が欲しいです。その遊び場の看板は、子どもで手作りすると特別感が出て、よりみんなが使いたくなると思います。」

Q.今日大人たちに向けて意見を伝えてくれましたが、どんな場所や雰囲気なら子どもたちは意見を言いやすいですか?

「テレビカメラは緊張してしまいます。」
「知らない場所ではなく、家からオンラインで参加できたり手紙がいいと思います。」
「今日は子どもが6人しかいないので、緊張します。大人しかいないのではなく、子どもの人数をもっと増やすか、大人たちに来てほしいです。」

しっかりと自分の意見を伝える姿に、感動しました。

記者会見後には、記者さんに話しかけられ、少しドキドキ…!

最後に、議員会館の通行証を手に記念撮影!
みんな本当によく頑張った一日でした。

▼子どもたちの感想
・大人も子どもも柔らかくて、緊張したけど授業よりも楽しかった。こんなに受け入れてくれるんだ!と思って話しやすかった。
・話す機会が一人ひとりあって、和んだ。仲良い友達と行けたのが良かった。子どもの意見欲してたんだ!と感じた。
・大臣意見交換が楽しかった。写真撮影もあんなに撮られることがないから楽しかった。

子どもたちにとっては、大人が子どもの意見を欲していることが驚きだったようで、自分たちの意見を伝えられて満足気でもありました。

来年度から新設される「こども家庭庁」のキーワードは「こどもまんなか」。こどもまんなか社会の主役である子どもたちが、国や社会に対して声を届けることは、「子どもの声を聞く」というムーブメントのはじめの一歩になったのではないかと感じています。これからも、子どもにとって何が大切かを子どもの目線で考えながら、起点となるその声を社会に届けていきたいです。

今回ご協力いただきました、子どもたちや保護者の皆様をはじめ、関係者の方々、本当にありがとうございました!

文・写真:コミュニケーションデザインチーム/太田

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