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【ご報告】第1回放課後勉強会「放課後の心地よい居場所をつくる上で大事にしたい子どもへの向き合い方」

研修

放課後NPOアフタースクールは、日本財団様の支援の元、今年度も放課後の居場所運営に関わる方を主な対象に、年間3回の放課後勉強会を開催します。「子どもをまんなかに!」を合言葉に、1年間を通して幅広く学びを深める時間にさせていただければと思っています。

6月15日(水)に開催した第1回目は、放課後の子どもの「居場所」をテーマに、子どもたちが過ごす場において、寄り添う大人がどのように向き合っていくことが子どもたちの居心地の良さや健やかな育ち、未来につながるのかを考える回となりました。

今回の勉強会は、オンラインでの開催ということもあり、全国から約600名近くの方にお申し込みいただきました。ここまでお集まりいただいたことは、私たちにとって嬉しい驚きです。皆様、本当にありがとうございます!

▼第1回目のご案内はこちら
https://npoafterschool.org/archives/news/2022/05/36301/

今回は、スペシャルゲストとして、きしもとたかひろさん(保育士・放課後児童支援員)をお迎えしました。きしもとさんのSNSで本勉強会を知って参加してくださった方も多かったのはないでしょうか。著書「怒りたくて怒ってるわけちゃうのになぁ」(KADOKAWA)の読者の方もいらしたかと思います。

きしもとさんの作品の一部は、こちらからご覧いただけます。
https://www.comic-essay.com/episode/374/


【放課後勉強会ダイジェスト】
■講演(1)「子どもの放課後の居場所の意義を考える」
放課後NPOアフタースクール代表理事 平岩国泰

まずはじめに、代表平岩より本勉強会への想いを皆様にお伝えしました。
「参加者の皆様それぞれで子どもとの関わり方が違うかもしれませんが、一致していると思うのは”子どもを思う気持ち”。個々に頑張るだけでなく、各組織が協力して、その力をさらに大きくできればと願っています。本日が少しでもその一歩に貢献できれば嬉しいです。」

そして講演では、私たちの考える「放課後の価値」を、5つのキーワード「時間・居場所・自己肯定感・地域・ゴールデンエイジ」をもとに、関連するデータやアフタースクールに通う子どもたちのエピソードも交えて紐解きました。
特に、キーワード「居場所」でお話した、アフタースクールを卒業する6年生が「アフタースクールには私がいていい居場所があった」と感じてくれていたエピソードは、子どもたちの居場所をつくり一緒に過ごしてきた私たちにとって、とても印象的なお話の一つです。

最後に平岩は「放課後は、子どもたちにとって生きる力そのものを育む時間。ぜひ日本中の放課後をゴールデンタイムにしていきましょう!」と力強く話しました。
日本全国に、子どもたちを応援する皆様がいるということが、私たちにとっても非常に心強く、勇気づけられる思いです。

■講演(2)「心地よい居場所をつくる上で大事にしたい子どもへの向き合い方」
きしもとたかひろ さん(保育士・放課後児童支援員)

今回のテーマである「居場所」
きしもとさんには、「居場所ってなんだろう?」という基本的なところから、「どんな風に居場所をつくる?」→「どんな存在でいよう?」→「子どもたちとの向き合い方・関わり方」というように順序立ててご紹介いただきました。

「どんな居場所にする?」
①その子が選んできてくれる場所に
『自分で「居るか」を選べることがいいが、それぞれの子にいろんな背景があり、そうはいかないこともある。』
→「やること」を自分で選べる場所・「やらないこと」を自分で選べる場所

②その子の「好きな」居場所に
『楽しい場所、楽しい人・好きな人、熱中・活躍できることがあると「好きな」居場所になると思う。でも、どれだけ楽しいことで溢れていても、一つでも嫌なことがあるだけで行きたくなくなったりもする。』
→その子がしんどくない居場所に

③その子にとって「大切な」居場所に
→その子にとっての大切なことを否定されない場所

最後に、『その子にとっての「居場所」ってどんなんだろう?を考えて守ることを第一にしたい。この世の中には、自分の大切な居場所を守ってくれる存在がいると感じてもらえたらいいなと思う。』というお話をしていただきました。

きしもとさんのお話には多くの気づきがあり、参加者の皆さんのメモを取る手が止まらない様子でした。今日から実践できることでもあったため、参加者からは「早速やってみようと思った」とのお声もいただきました。

■登壇者によるトークセッション

最後の代表平岩ときしもとさんとのトークセッションでは、きしもとさんの子ども時代の放課後の過ごし方や、いまのきしもとさんの考えや子どもとの向き合い方ができていったきっかけなどの他、参加者の方々からお寄せいただいた質問に答える時間となりました。

「わかっていてもできない」がいつも根底に
きしもとさん:日々子どもと接していると、つい怒ってしまって後になって反省することばかりだったんですよね。いつも「わかっていてもできない」自分がいた。それでも、「私にはできないことがあって、あなたにもできないことがあって、それをお互いに認め合える」という関係性を築いていけると、自分の心持ちも子どもも少し楽になると思うんです。
学童に通うある子どもから教えてもらった「学校の担任の先生が、自分で自分のこと忘れ物の達人って言ってんねん!」というエピソードからは、素敵な関係性が目に見えてきます。

大切な居場所やそこを守ってくれる存在がいることは、必ず子どもたちの中に
平岩:毎日完ぺきではないし、反省することもあるかもしれないが、やってみて反省して、またやってみる、その繰り返しだと思いますね。
きしもとさん:0と1を行ったり来たりの日々だけれども、その子がこの居場所で学んでいることは、継続してみれば想像もしないものに発展していっていると思う。
寄り添ってくれた人たち・居場所があったことは、その子の中に積み重なっているはずです。小石を並べただけかもしれないけれども、その子の土壌づくりに一役買ったかもしれない。とても誇れる仕事だなと感じています。

子どもたちの伴走者として
平岩:子どもたちの問題があったとき「どうしたい?」「私たちにできることある?」と子どもの伴走者になるようなイメージで向き合っていますね。
きしもとさん:その通りで、私も「助けてくれる人、横で見てくれてる人なんだな」と感じてもらえるように子どもと向き合っていました。

 

▼参加者の感想
とても印象に残ったのは「子どもの居場所を作ることが、子どもがその居場所に来ていない時間も支えている」という言葉です。日々の私たちの居場所づくりの活動が、子どもが違う場所で頑張れる原動力になっていたら…そう思うと本当に素敵な仕事をしているんだと誇りに思えます。 本当に答えのない奥が深い仕事です。大変だと思うことの方が多いですが、まだまだ頑張ろうと思えました!

きしもとさんの「ここに居ていいと感じられる場所」のお話を聞きながら、自分の子ども時代に、こんな風に居場所について真剣に考えてくれる大人がいたら、毎日安心して過ごせたのではないかと思いました。これからも、このお話はきしもとさんの素敵なイラストとともに覚えていたいと思います。

第1回放課後勉強会には、放課後児童クラブや放課後子ども教室の方だけでなく、子ども食堂の方、サードプレイス運営の方、貧困支援の方、保護者の方等たくさんの皆様にお集まりいただきました。各方面から子どもをまんなかに集えたことを、一同とても嬉しく感じております。ありがとうございました!

引き続き、「子どもをまんなかに!」と考える皆様と一緒に学びを深めていけたらと考えております。次回は10月、テーマは「多様な子どもたちとのかかわり」を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします!

文・事業開発チーム/谷摩耶


本研修は、日本財団様の助成により開催いたしました。

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