遊び・学びの新しいカタチ「みんなのアフタースクール」実施レポート
子どもたちの放課後が、新しい体験の場に!
新型コロナウイルスの影響による全国一斉休校から半年。現在も夏休みの短縮や学校行事の中止、授業内容の変更や土曜授業の増加など、さまざまな影響が続いています。そんな中、私たち放課後NPOアフタースクールが立ち上げたオンラインプロジェクト「みんなのアフタースクール」(通称「みんアフ」)。この活動を通じ、子どもたちの遊び・学びの形に新しい日常が定着しつつあることを実感しています。
コロナ禍、と言われる状況が当たり前になる前から、私たちは子どもたちの放課後がより充実し、楽しみながら学べる場を学校内で作ってきました。特に、企業や行政とコラボレーションし「社会で子どもを育てる」形を提案することで、子どもたちが本物に触れ、より新鮮な体験ができるプログラムの企画、実施が叶っています。
全国14カ所で開催!22団体、829名の参加が実現。
オンラインを通じ、みんなでつながれた!
「みんアフ」は、インターネット上で実施する子どもたちの学び×遊び×成長の場。 学童保育、放課後子ども教室等、小学生の放課後の居場所作り、学び・遊びの場作りをしている団体単位で参加できる「オンラインアフタースクール」です。
放課後の現場は感染症防止対策として実施されて全国一斉臨時休校を受け、行き場を失った子どもたちの受け皿として、奮闘を続けてきました。感染防止対策で日々の業務も増加する中で、様々な活動制限を強いられ、子どもたちにとってあらゆる体験機会・成長機会が奪われてしまったのです。
最初は休校期間対策としての側面もありましたが、インターネットを通じて全国の拠点を同時につなぐ企画が実現したり、子どもたち同士のつながりが広がるなど、オンラインでしかできない試みがたくさん実施されたことを受け、企業・団体等多くのご協力を得ながら「みんなのアフタースクール」実現に至りました。
2020年7月7日から約1ヶ月半に実施した企画は全45回。企業や海外拠点とのコラボ、普段会えない人気スポーツ選手に教わる足が速くなる方法や、地域密着の社会見学などバリエーション豊かなプログラムの一部をご紹介します。
事例1「いどめ!メルカリせんせいからの挑戦状」
with株式会社メルカリ様
一見いらなそうなものでも誰かの役に立つ?
これからの循環型社会に必要な「ものとお金の大切さ」をクイズ形式で楽しく学ぶプログラム。トイレットペーパーの芯など、普段あたりまえのように捨ててしまうものも、誰かにとっては必要なものであることを学んだ子どもたちからは「お母さんに教えてあげたい」「捨てていたものも、無駄にしないようにしようと思った」といった感想が多く寄せられました。
事例2「世界がトモダチ!フィンランド/アメリカ編」
オンラインで世界とつながろう!フィンランド編では、ムーミンの国らしい自然あふれる豊かでのんびりとした現地の様子を、日本人ガイドによる通訳でわかりやすく紹介。アメリカ編では、テネシー州の現地スタッフとのコミュニケーションを通じ、アメリカ南部ならではの音楽文化や生活に触れました。
日本から遠く離れた国の暮らしや文化を学ぶのは、子どもたちにとって新鮮な学びがたくさん。「外国に行ってみたい!」「ムーミンが住んでいる国のことを知れて嬉しかった」といった声が寄せられ、まるで海外旅行を楽しむように盛り上がりました。
事例3「スミセイアフタースクール プロスポーツコーチ直伝!足が速くなる方法」
with住友生命保険相互会社様
野球界、サッカー界などトップアスリートの指導も行う「0.01 SPRINT PROJECT」のかけっこ教室がオンラインで実現!「速く走る」を効率的に実現するには、正しいフォームの指導など、すぐに実践へつながるノウハウが大事。陸上競技のプロフェッショナルが、今日からすぐ結果が出る走り方のコツを指南しました。
スミセイアフタースクールは、この他にもドッジボール日本代表を招いたり、元プロ野球選手による投げ方教室を実施するなどの人気プログラムが定番化しています。
事例4「プログラミングブロック「MESH™」で発明家になろう」
withソニー株式会社様
はじめてでも簡単に使えるソニーのプログラミングブロック「MESH™(メッシュ)」。2週間にわたるこのプログラムでは、「MESH™」と工作素材を組み合わせて、チームごとに学童を楽しくする装置を作ります。
「プログラミング」というと一見難しそうに思えるかもしれませんが、子どもたちにとってはお手のもの!子どもたちの創造力や発想力でクリエイティブなアイデアを形にすることができました。
事例5「夏休みスペシャル オンライン社会見学 漁師のシゴト」
with石巻市の漁師の皆様
宮城県石巻市で漁獲中の漁師さんと中継し、漁師さんのお仕事に密着。この日はホヤが大量に獲れました。お仕事の説明をしながら、海や自然に対する想いを語ってくださいました。食の未来が危機に面していることや私たち一人ひとりが行動していくことの大事さについて子どもたちに伝えてくださり、誇りを持って地球と暮らしのために働く漁師さんに一同胸を打たれました。
機材レンタルなど、オンライン環境サポートも充実。
95%以上の参加者が「満足」と回答しています
各プログラムに参加した団体への事後アンケートによると、95%以上の方々が「満足」と回答。「自分たちではできないプログラムだった」「子どもたちからまた参加したいとリクエストが続出している」「夏休み期間だけでなく、定番のプログラムとしてオンラインアフタースクールを実施してほしい」といった感想が寄せられています。
さらに「オンライン環境への苦手意識や、機材の不安などから参加をとまどっていたが、みんアフからレンタルできることを知って初めて参加しました」という方も多数。ITが苦手な方でも、機材レンタルや電話サポートを活用してプログラムを楽しんでいる様子が伺えました。
オンラインだからできることを。
点から線、線から面へのつながりを目指します
放課後NPOアフタースクールの夏休み特別企画として立ち上がった「みんなのアフタースクール」。当初はコロナに負けず、子どもたちに学びや発見の場を提供するという意味合いも強かったものの、オンラインによる実施は結果的に国内外多くの参加者をつなぐ結果になりました。
企業様や参加者の方々と一緒に作り上げる放課後が、ひとつの拠点からいくつもの拠点へつながり、全国へ広がっていく楽しさはオンラインならでは。今回のプロジェクトを通じ、運営スタッフ一同も、オンラインの可能性について多くの学びを得ることができました。
今後も、オンラインだからできるバリエーションに富んだアフタースクールを通じ、全国の子どもたちと学びや楽しさを共有していきたいと考えています。
引き続き、どうか皆様のお力添えをよろしくお願い申し上げます。
当団体との協働を検討していただける企業・団体様は下記サイトよりお問い合わせください。
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放課後NPOアフタースクール