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全国一斉臨時休校要請発表を受けて〜放課後NPOアフタースクール激動の1週間〜


2020年2月27日(木)新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、政府は全国の小中学校、高校、および特別支援学校の臨時休校を要請。突然の発表を受けて放課後NPOアフタースクールにかつてない衝撃が走りました。
大きな不安や緊張から始まったこの激動の1週間を振り返ってみたいと思います。

臨時休校要請発表当日〜開室・閉室の判断に至るまで
18時半を過ぎた発表だったことからすでに帰宅しているスタッフも多くいましたが、報道発表後、本部スタッフよりすぐに団体全体へ共有されました。
事務所では週明けからの対応について、代表平岩と現場担当マネージャーを中心に緊急会議を開催。学校や自治体に確認すべきことや方針決定後の対応について夜遅くまで協議を重ねました。

翌28日(金)から週末にかけて、学校・自治体の方針が決まっていきました。 団体としては基本的にはこの状況において頑張ってくださっている保護者も多くいらっしゃる、その子どもたちが安心して待つことができるよう、受け入れたいという想いを持ちつつも、万が一子どもや スタッフが感染したらどう対応するのか、どのようにしたら感染リスクを下げられるのかを徹底的に話し合い続けました。 最終的には学校・自治体の判断により、必要な子ども、ご家庭のために安心できる場所をつくるため多くの拠点が開室しました。放課後児童クラブ(学童保育)ではなく、放課後子ども教室枠の拠点を中心に地域や状況に応じて閉室を判断したアフタースクールもありますが、どちらも今できる最大限の選択をいたしました。

要請発表の翌日となった金曜日はメディア各社からのご連絡が相次ぎ、判断基準や今後の懸念などヒアリングが多数ありました。
関連する報道でたくさんの方が休校の受け皿となった学童保育を心配してくださり、多くの企業から場所や物資、コンテンツの提供など支援のお申し出もいただいております。

突然の休校、友達と遊べないもどかしさ、感染リスクへの不安、日常を奪われたストレス…。
子どもたちが直面する現実は、アフタースクールに通う子どもたちだけでなく、今全国の小中高学生が抱えています。少しでも楽しく、少しでも社会の力を子どもたちに届けたく、オンラインのアフタースクールも並行して開設しました。

▼自宅で過ごすすべての子どもたちのために、「オンラインアフタースクール」を開設
https://npoafterschool.org/archives/news/2020/03/27862/
現場を持つ私たちができる精一杯のことを、想いを寄せてくださる皆様と共に取り組んでいます。

▼3/1(日)に発信した全国一斉休校に伴う「アフタースクール」の運営方針
https://npoafterschool.org/archives/news/2020/03/27856/

臨時休校を受けて朝から開室をする学童保育への支援金に愕然とした
休校要請発表後すぐに、厚生労働省は学童保育や保育所は原則開室を依頼。リスクを負い、勇気を持って朝から開室する決断をした学童保育に当てがわれた支援金は1万200円/日(子ども40人を朝から受け入れる場合)でした。私たちはこの金額に愕然としました。休業補償や中小企業支援なども次々と発表されており、予算の制約があることはわかっていつつも、「子どもたちを安全に預かり、充実した活動を支援する価値」はもっと認められるべきだ、そう思いました。

その後厚労省・文科省より「子ども同士を1m以上離すこと」が通知されました。現場の状況や子どもの特性を理解していない内容に大きなもどかしさを感じたのも正直なところです。(ただ、後述しますが一部アフタースクールの拠点においては、時差と配置で工夫してそれを実現している拠点もあり、ピンチをチャンスに!を体現しているスタッフの底力に改めて尊敬を感じました)

※なぜ私たちが愕然としたのかは次の記事にまとめさせていただきます。日本の放課後が窮屈な理由、そして変われる可能性について言及していきたいと思います。

今できることに全力で取り組んだ1週間
明けて3月2日(月)、休校のタイミングは自治体に委ねられていたこともあり、月曜の午前は学校がある地域もありましたが、この日から休校に入った学校も多くありました。 私たちはできる範囲でなんとか各校の体制を整え、まずはこの1週間を終えようとしています。

・スタッフの確保
普段14時頃から開けているアフタースクールを8時から開室する、急に6時間延長することになり、スタッフ調整が急務でした。
現在、放課後NPOアフタースクールは300名近いスタッフが勤務しています。スタッフ自身の感染リスクもある状況を考慮し、常勤・非常勤問わず休業選択の意思も尊重した上で、それでも運営に協力してくれるスタッフで運営体制を整えました。
普段より信頼している非常勤のスタッフの方々が、子どもたちのために、と勤務時間を延長してくだったことにも心からの感謝です。

・拠点間での応援体制
閉室となった拠点のスタッフが他校の運営サポートに入ることで体制を強化しています。私たちは現在複数拠点を運営しており、エリアマネジャーと呼ばれるスタッフが運営のサポートもしているため、なんとかこの体制を整えることができました。
一方全国の学童は小規模な法人、一部は保護者運営の委員会などで実施していることもあり、現在相当な負担を強いられていると思います。
一部の地域(例えば川崎市や台東区など)は、午前中を自由登校として共働きなどで居場所が必要な子どもたちを受け入れています。学童だけに子どもたちや負担が集中しない地域全体での解決策を探ることが必要と強く感じます。

・これまでのノウハウや連携を生かして、休校中も”楽しいアフタースクール”を
このような状況下でも最大限を尽くそうと頑張っている現場スタッフにより、安定的な運営を行うことができています。


感染予防のため、健康観察カードの導入、入室時・昼食前の手洗い、換気・消毒など、衛生管理を改めて徹底。


加えて、活動ごとに部屋を区切る・校庭を活用する(これは学校側との協力体制が無くてはなりません)、大人数で密着しない活動を提案するなど、このような状況だからこそ、安心基地として機能するために様々な工夫をしながら活動しています。日頃より、学校側と連携して学校施設活用を推進してきたからこそ実現できている点も多くあると感じています。

子どもたちの過ごし方については様々なご意見があると思いますが、私たちは遊びの力や 楽しいを自ら生み出す子どもたちのことを信じています。
ピンチはチャンス。様々なオンラインコンテンツがフリーになったり、子ども同士が離れていてもコミュニケーションをとるツールもすでにある。新しい過ごし方、学びの形を発見できる機会かもしれません。制約があるからこそ生まれるアイデアや絆がある、そう信じてより素敵な放課後を取り戻したいと思っています。

激動の1週間を振り返ってみて
多少の混乱もありますが、各アフタースクールは少しずつ落ち着きを取り戻そうとしています。前述の通り、これまでも含めた現場の努力や想いに寄り添ってくださる学校や自治体、保護者のご協力によるところも非常に大きいです。
一方で、感染拡大が収まっていない点に関しては心身ともに緊張感の続く中で、連日8時から開室するために7時台に出勤、19時の最終退室後、振り返りや翌日準備で遅くまで人手 が必要なこの状況が続くことに当然不安もあります。 まずはなんとか頑張らなくては!と駆け抜けてきて、ちょっと落ち着いた今、見えない先のことを考えて、少し疲れを感じています。

この1週間は本当に激動と呼ぶにふさわしい日々でした。
元々課題を多く抱えながらなんとか運営してき た放課後の業界が今、最大のピンチを迎えています。 このピンチをチャンスに変えるために、それぞれがお互いの気持ちに寄り添い、一人ひとりが最善の判断のもと協力し合う社会をここからみんなでつくっていけることを強く願っています。
私達は自分たちの役割を最大限果たせるよう、邁進します。

文:放課後NPOアフタースクール/広報 鈴木香里

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