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最後のおかえり

2019年3月28日(木)、私たちの大好きな男の子がアフタースクールを卒業しました。


彼が2年生の時に開校した湘南学園小学校アフタースクール。私たちにとって初めての直営校(放課後NPOスタッフが直接運営する拠点)に5年間、男の子は毎日毎日来てくれました。(6年生まで週5日間通ってくれるのは全国的に見ても非常に珍しいです)

男の子が6年生になった時、アフタースクールスタッフはこう彼に話しました。

「ここから1年間、あなたにとって最高の放課後にします。だから下の子たちがますます憧れるような素晴らしいお兄さんでいてね」

アフタースクールと彼との約束でした。

この1年間、男の子は下級生に野球を教え、一緒にたくさんたくさん遊びました。
女の子をさっとフォローできる優しさを何度も見ました。
泣き出したいくらい悔しいときも、ぐっと堪えていたのを知っています。

そんな彼に5年間、何度「おかえり」と声をかけたでしょう。
学校が終わってアフタースクールにやってくる子どもたちに、私たちは「おかえり」と声をかけます。
「ただいま」という子どもたちの声や表情に「今日はいいことあったみたい」と嬉しくなったり、「何かあったのかな、元気がないな」と心配を寄せたりしています。
この日は最後の「おかえり」でした。

あっという間の1年、そして5年間でしたね。
自分に自信の持てなかった小さな男の子は、素晴らしいお兄さんになりました。

------アフタースクールと共に成長を重ねた男の子の1日を広報/鈴木がお伝えします。------

3月28日のプログラムは、彼のリクエストで「ゴム鉄砲ファイト」。
各自自作の盾とゴム鉄砲で、どれだけ他の子の紙コップにゴムを入れられるかをチームで競います。

この遊び、小学生らしくて微笑ましいだけではありませんでした。


低学年も、高学年も


男の子も女の子も


子どもも大人も
みーんなで笑って、夢中になれる最高の遊びでした。


彼が最後に選んだ過ごし方は、きっとこれを叶えるためだったのかもしれません。
放課後に、みんなで一緒に遊ぶこと。

遊び疲れて帰って来ると、下級生やスタッフから素晴らしいプレゼントが!


かっこよくて、頼りになって、大切な6年生にみんなで用意しました。


この日卒業するスタッフにも♩

卒業おめでとう!

素敵なお祝いセレモニーとなりました。

この日私が湘南学園にお邪魔したのにはもう1つ理由が。
年末に撮影したブランディングムービーがついに完成し、一般公開はもう少し先ですが、撮影協力してくれた湘南の子どもたちにどうしても観てもらいたかったのです。
子どもたちはこんな顔で観てくれました。

この物語はあなたたちの素晴らしい"日々"です。
子どもたちがくれる宝物のような時間を、瞬間を私たちは大事に大事にしています。


みんなの顔を観て、とてもほっとしました。
本当にありがとう。

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午後17時30分。
この日は男の子のご両親が揃ってお迎えに来てくださいました。
明らかにまだ帰りたくない男の子。さよならが近づいています。

お父様とお母様に少しお時間をいただいて先程の映像を観ていただくとあたたかい眼差しでこうおっしゃってくださいました。

「息子はアフタースクールが大好きで、アフタースクールに行くために学校に通っていたと思います。本当にありがとうございました」

嬉しくて嬉しくて胸が苦しくなりそうな程でした。
学校あってのアフタースクールなので、絶対に学校も大好きだったと思いますが、大変嬉しく励みになりました。

沢山たくさんアフタースクールで思い出を重ねてくれて本当にありがとう。
沢山たくさん笑わせてくれてありがとう。
一緒に悩む機会をくれてありがとう。
本当にありがとう。

帰り際、「忘れ物しないでね〜」とスタッフが声をかけると、近くにいた他の子が「忘れたらまたアフターに来なくちゃだもんね」と言いました。
すると彼が「あ、じゃあ上履き置いてこうかな」とニヤリ。

でも、それには大人も子どもも誰も賛同しませんでした。
心の中とは裏腹に。

本当は嵐のように涙したくて、明日から彼が来ないことがみんな寂しいのです。
明日も来てくれたら嬉しい、でももっと嬉しいのは、中学校で好きなことを続けてくれること。他にも興味関心を見つけて世界を広げてくれること。
新しい友達や先生、いろんな人と関わって、また大きく成長していくことを、私たちは誰よりも応援しています。

忘れないでくれたら嬉しい、でも忘れちゃうくらい最高の明日を、どうか歩んでいってください。
みーんなで応援してるよ。

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放課後NPOアフタースクールは、学校施設を活用し、地域社会で子どもを育てる「アフタースクールモデル」を日本の社会インフラにしたいと願い活動しています。一方で、運営させていただいているアフタースクールでは、毎日毎日様々なドラマがあり、現場スタッフは子どもたち一人ひとりと向き合いながら、本気で笑い合い、本気で話し合い、時々叱ったりもしながら、彼らの成長を見守っています。

卒業は大きなスタートです。小学校の後の世界も彼らにとって成長の詰まったかけがえのない日々となるよう心から願っています。

最後に、
2018年度も保護者の皆様、学校の先生方、各自治体の皆様、ご支援いただいている企業・個人の皆様、ご協力くださるすべての皆様のおかげで子どもたちとの活動を行うことができました。一同心より感謝申し上げます。

2019年度も「放課後」が子どもたちにとって学び豊かで笑顔あふれる時間となるよう、一丸となって邁進してまいります。
これからもご指導ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願いいたします。

文:本部事務局/広報 鈴木

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