【桐蔭学園幼稚部アフタースクール】「放課後行きたい場所NO.1!」を目指して
「幼稚園にもアフタースクールがあるんですか?!」
と驚かれる方がまだまだいらっしゃいますが、実は幼稚園にもアフタースクールがあります。
近年、幼稚園での教育時間の前後で預かり保育時間を設ける園や、それに対し助成をする自治体も増えてまいりました。働く保護者からのニーズも年々増しています。
また昔から幼稚園の後に習い事をする子は多く、ピアノやバレエなど幼少期から始める傾向の高いものは人気ですよね。安全な居場所であり、多様な経験を届けられるアフタースクールは自然と求められてきたのではないかと思います。
放課後NPOでは神奈川に2拠点、幼稚園のアフタースクールがあり、その1つが桐蔭学園幼稚部アフタースクールです。
開校した中で唯一、幼稚部・小学部の両方を自主運営しています。幼稚部から小学部へそのまま進級する子がほとんどなので、最大9年間子どもたちの成長を見守れるのは私たちにとっても非常に勉強になります。
小学生の放課後がフォーカスされることの多い昨今ですが、幼稚園生にとっても放課後は大切な時間です。
甘えん坊な子や、なんでも自分でやりたい子など、自己主張するのが上手な子もいれば、異学年の中で過ごすことに慣れていない子、思いを伝えるのに緊張してしまう子もいます。
そのどれもが愛おしく、子どもらしい成長を見せてくれる、ありのままの姿。
そんな子どもたちに、放課後の「あそび」の時間で、人とつながる楽しさや、初めて出会う体験を通して、新しい発見や好きなことを見つけてほしいと思っています。
「幼稚園生は、かわいいよね。」
間違いなく、とってもとってもかわいい時期です。
しかしこの言葉からは同時に、幼児期の重要性が認知されていないかもしれないと不安を感じます。
小学生になると体と心の成長、興味の広がりから、さらに主体的に考えたり、協力したり、
好きから得意へと変わっていけるようにとことん夢中になる時間を作るために、放課後はあると考えています。
しかし、幼児期も決して「かわいい、かわいい」だけではありません。
これから大きく成長している子どもたち。日々保護者の方が子どもの育ちにどれほどの思いを持っていらっしゃるか。
保護者の皆様から大事なお子さんをお預かりしているからには、私たちは子どもたちの生きる力を全力で応援する使命があります。
アフタースクールは、どの年齢においても決して単なる場の提供にはならない、豊かな放課後でありたいと願っています。
幼児期は、人との関わりや体験からさまざまなことを吸収し、大きく成長する基盤の時期。
子どもの「あそび」の中には、さまざまな要素が溢れています。
友達同士やりたいことがぶつかれば、けんかも起こります。思い通りにいかず悔しさを感じたり、自分の思いを受け止めてくれる友達がいることで喜びを感じたり。
思いを言葉で表現できず手が出てしまうこともあります。相手は痛みで泣くこともあるでしょう。
また、家に帰ると一人遊びで過ごすことが多い子にとっては、たくさんの友達と大きな砂山を作ることで、「協力して完成させた」という達成感や喜びを感じる機会にもなります。
その子どもたちの中で、思いに共感し、必要な時にアシストしているのが、アフタースクールスタッフです。
子どもたちと楽しく遊ぶだけが仕事ではなく、思いを汲み取りながらけんかの仲裁もしますし、大人が手伝えばすぐに終わることも、子ども自身が意識できるよう、促し、見守り、待つことも仕事です。「自分の力で出来るようになるために、大人が待つ」が重要であり、難しい部分でもあります。
人と人との関わりの中で、何が良くて何がいけないことかを知る学びの瞬間と、自分で考えて伝える場面を大人が奪い取ってしまわぬよう、スタッフは個々の理解を深め、最適な環境づくりができるよう、振り返りと改善を積み重ねる日々です。
また、子どもたちにとって「放課後行きたい場所No.1!」であると同時に、働くスタッフにとっても「放課後行きたい場所No.1!」でありたいと強く思います。
子どもと関わる仕事は、大人の発言や行動に大きな責任が伴います。その難しさは経験した人にしか分かりませんが、その重みを感じながらも、それ以上に子どもたちの成長に立ちあえる喜びを共有しながら、働くことが楽しいと思える環境づくりを続けていきたいと思います。
自分の思いを受け止めてくれる大人がいることで、大人を信頼し、大好きな友達と安心して過ごせる居場所が『アフタースクール』であれるよう、私たちスタッフは、子どもたちの笑顔と共に頑張ります!
文:桐蔭学園幼稚部アフタースクール/薦田