記者になって課題解決のヒーローを直撃取材せよ!私たちにはどんなことが出来るかな?
2024年3月下旬、福岡県福岡市で公益財団法人日本財団が主催する子ども記者体験ワークショップ「まちの課題解決に取り組むヒーローたちを取材しよう!」を西日本新聞様の協力のもと実施し、小学校3年生~6年生までの計68名が参加しました。
▽子ども記者体験ワークショップ「まちの課題解決に取り組むヒーローたちを取材しよう!」の開催案内はこちら
元気に集まってくれた子どもたちは、まずグループごとに座って初めましてのチームメンバーとご挨拶。お互いの共通点を見つけて笑顔がこぼれるグループも!グループでの取材に向けて準備はばっちりです。
最初は、進行役と一緒に「社会課題」について考えます。
社会はいろんな人がいることで成り立っていて、「課題」は困っている人“だけ”の問題ではありません。そんな中で、社会にはその課題解決に取り組むヒーローたちがいます!
さあ、今回のミッションは「子ども記者になってまちの社会課題を調査」です!
調査に協力してくださったのは福岡県を中心に活躍しているヒーローたち。
魚のフードロス問題に取り組む株式会社ベンナーズの井口さん、家族と離れて暮らす子どもたちを支援する特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPANの橋本さん、高齢者の一人暮らしを支えるサービスを開発する一般社団法人IT&診断支援センター・北九州の岩坪さん、そしてランニングでまちの防犯問題に取り組む認定NPO法人改革プロジェクトの八尋さんと内山さん、全部で4つの団体・企業から来てくださいました。
まずは、自分たちのグループが調査するヒーローのプロフィールシートを基に質問したいことを用意します。
今回、記者の先輩として特別に応援に来てくれた西日本新聞社の先輩記者「かわづせんぱい」からいただいたアドバイスもしっかりメモしました。
記者なりきりアイテムのバインダーと腕章を身につけて、いざ取材に向かいます!
グループごとに取材先のヒーローを囲み、取材がスタート。取り組む課題や活動の経緯に加え、それぞれが考えた「深掘り質問」を聞いていきました。
「(家族と離れて暮らす子どもを支援するヒーローに対して)どんな課題に取り組んでいますか?」
「家族と離れている子どもをサポートしたり、家族が離れないように地域で困っている人を助けたりしています。日本で里親を増やすためにいろんなところで話をしたりもしています」
子ども記者たちの質問にまっすぐ向き合い答えてくれるヒーローたち。
高齢者の一人暮らしを支えるサービスを開発しているヒーローが見せてくれたロボットの実演には、みんな興味津々です!
「一人暮らしのお年寄りの課題にこのロボットはどう活躍しますか?」
「高齢者の一番の楽しみは会話!ネコ型ロボットとお話ができ、認知症対策にも役立っています」
話を聞いてわからないことを質問したり、さらに聞いてみたいことに手を挙げたりする様子も見られました。
「(魚の問題に取り組むヒーローに対して)仕事で困っていることはありますか?」
「地球温暖化などの影響で加工の仕方がわからない知らない魚が来てしまうことです。でもみんなにもその魚を知ってもらうことで、やりがいを感じています!」
また、ある子ども記者は防犯問題に取り組むヒーローにこんな質問をしていました。
「今やっている仕事は元々もっていた夢でしたか?」
「夢ではなかったけれど、やってみたら夢がどんどん広がっています」
夢が叶うかどうかはすべてではなく、やってみたことで新たに夢ができたり、広がっていったりするんですね!子どもたちは、課題解決だけでなく将来の人生についても学んでいました。
さて、取材が終わると編集に取り掛かります。チームで役割分担をして1枚の新聞にまとめていきます。聞き足りなかったことを見つけ、再取材にいく子ども記者もいました。
時間ギリギリまで集中し、各チームのこだわりがたくさん詰まった新聞が完成しました!
チームごとの発表は調査活動の集大成。ドキドキしながらも堂々と発表する姿は、さすが子ども記者の皆さんです!
ヒーローの想いを自分の言葉に乗せて伝えた子ども記者たち。後ろで発表を見届けたヒーローたちからは、「私たちの想いを大切に伝えてくれてありがとう」と感謝の言葉をもらいました。
社会課題について知り、周りの人に対して「発信する」というアクションの一歩を踏み出せたようです!
実は、今回の活動を支えている日本財団も、社会課題解決に取り組むヒーローの1人です。日本財団は日本最大規模の財団として、人種・国境を越えて、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など、幅広い分野の活動を推進しています。
最後に、子どもたちは社会課題に向き合う時の大切な3つのことを学びました。それは、「まずは知ること」「その人だけの課題にしないこと」「自分にできることからやってみること」です。
ワークショップの最後、ある子どもがこんな頼もしい感想を残してくれました。
「これからは自分たちがヒーローになりたいです」
今回子ども記者になって調査を完了した皆さんは、もうヒーローになる第一歩を踏み出しています!大切な3つのことを胸に、これから大きく活躍していくことを願っています。
ワークショップにご協力いただいた西日本新聞様、株式会社ベンナーズ様、特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPAN様、一般社団法人IT&診断支援センター・北九州様、認定NPO法人改革プロジェクト様、ありがとうございました!
文・ソーシャルデザインチーム/生原