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【川崎市カラフル☆タイムプロジェクト】地域のつながりを活かして、校庭で野遊びフェス!(川崎市受託事業)

行政協働

放課後NPOアフタースクールは、神奈川県川崎市より委託を受け、川崎市教育委員会の事業「カラフル☆タイムプロジェクト(※)」の一環として、地域コーディネーターの伴走支援に取り組んでいます。

※カラフル☆タイムプロジェクトとは、「学校に関わる地域人材(関係人口)を増やし、放課後等の時間を活用した多様な体験・経験ができる仕掛け(環境)づくりに取り組むこと」「学校と様々な地域活動を行う地域人材を有機的につなぐ、“地域の核”となる人材の育成に取り組むこと」を目指す事業。

12月2日(日)、私たちは、川崎区富士見中学校区(小学校3校、中学校1校の学区)において、学校の校庭を活用したイベント「野遊びフェス~みんなで火起こしにチャレンジ~」を開催しました。

野遊びフェスを通して、目指したいゴールは2つです。
①学校を核とした多様な体験・経験ができる仕掛けづくりをし、地域のつながりをつくれるような活動の”基盤”をつくること
②そこに参画する地域の方々を発掘するとともに、地域の集いを生み出し、つながりを広げること


■事前アンケートの結果から見えてきたこと
まず、学校活用したイベントを企画するにあたり、事前にアンケートを実施しました。子どもたちには「放課後どんなふうに過ごしているのか」「どんなことをしたいのか」を、また保護者の方には「子どもの放課後や地域活動への関わり方について」を聞いてみました。

子どもの回答では、放課後は自宅で過ごす子が約5割と多く、「遊び場所の不足」について最も声が上がりました。また、「アスレチックや鬼ごっこなどの、思い切り体を動かせる遊びがしたい」という声が多数集まりました。

保護者の方は、「子どもの放課後の安全性」や「地域での治安」に不安を感じている方もおり、「学校施設の活用推進」については、約9割の方に賛成をいただきました。

また、子どもの活動への関わりについては「関わりたい」は2割程度。7割は「わからない」との回答で、 仕事や家事・育児での多忙感と負担感を抱えている方も多い印象でした。
一方で、地域活動への参画について、空き時間など、単発であれば参加に前向きな声も一定数あり、きっかけがあれば関わってくださる潜在層もいることがわかりました。

上記のアンケート結果を受け、校庭を活用して地域の方たちが集えるイベントの開催に向けて動き出しました。


■学校を活用した地域づくり
子どもたちが普段過ごす学校は、代表的な公共施設のひとつでありながら、授業以外に放課後の時間や地域住民による活用が、全国的にもなかなか進んでいません。

川崎市教育委員会では、「Kawasaki教室シェアリング」や「みんなの校庭プロジェクト」により、市民の共有資源として、子どもも大人も地域のみんなが集える環境をつくり、今の子どもたちが将来は地域活動の担い手になるよう、学校を核とした地域づくりに取り組んでいます。

イベントを開催するにあたり、地域教育コーディネーターの皆さんが、地域の有志の方々に事前にコミュニケーションをとってくださり、スムーズに企画を進めていくことができました。町内会、ジュニアリーダー、ボーイスカウトなどの各団体に交渉し、地域の皆さんの力を集めていきました。

また、富士見中学校区地域教育会議の方々とも連携をはかり、今回の実施場所となった向小学校の先生方との窓口にもなってくださいました。
学校が「学校活用」に理解を示し、施設や用具を快く貸してくださったこと、学校の先生の負担を大きく増やすことなく、こうしたイベントを実施できたことは、学校活用促進の大きな一歩です。


■当日の様子
野遊びフェスは、校庭全体をゾーニングして回遊型のイベントにしました。各コーナーは、地域団体の皆さんが運営し、その中で地域教育コーディネーターや地域の方々もサポートをしてくださいました。
また、当日は保護者の方からも、運営にご協力いただけるサポーターを募り、みんなでつくり上げるイベントとして実施することができました。

イベント内での各コーナーをご紹介します!

【火起こしチャレンジ】
国際自然大学校とボーイスカウトの方々による、火起こしレクチャーと焼きマシュマロづくり。今回一番人気のコーナーとなりました。国際自然大学校の方々を中心に準備を進め、ボーススカウトの方々が持っているノウハウで丁寧に火起こしを教えていただきました。

【みんな集まれ!本気対決ドッヂビー】
ジュニアリーダーの方々は、ドッヂビー対決を盛り上げてくださいました。大人も子どもも本気になって楽しむコーナー。若い世代の方がこのように地域活動にかかわってくださるのは、嬉しいですね。

【昔遊びコーナー(コマ・ベイゴマ・羽子板・竹馬)】
こちらは、近隣自治会・子ども会からシニアの方々が参加し、さまざまな昔遊びを子どもたちに教えてくださいました。世代を超えたつながりができたことも、このイベントの成果の一つです。

【放課後アスレチック】
向小学校に常設されている遊具や、学校の体育で使う用具を活用して、オリジナルのアスレチックコースを作りました。放課後NPOのノウハウを活かして、校庭活用の可能性を引き出すことができました。

【ホットカフェコーナー】
地域コーディネーターや保護者サポーターの方々が中心になり、足を運んでくださった皆さんへ温かいコーヒーやココアを振る舞いました。ちょっとした飲食ですが、自然とコミュニケーションが生まれていました。

当日、各コーナーをまわる子どもたちからは、「マシュマロ美味しい!」「アスレチックもう一回挑戦する!」「ドッチビーまたやらないの?」と楽しそうな声が響き渡っていました。また、今日初めて会った別の小学校の子と友達になる子どもも!このような場があることが、地域のつながりをつくり出すきっかけになったことを実感しました。

保護者の方も「学校だと安心して子どもたちを遊ばせることができる」「ちょっと工夫するだけで、校庭でこんなに子どもがいきいきと遊ぶんですね!」と大人同士のコミュニケーションも多く生まれていました。
サポーターとしてもご協力いただき、子どもが楽しむ傍ら、各コーナーでお手伝いをいただけたことは、今後このようなイベントを企画・開催する上で、新しい保護者の関わりを模索するヒントにもなりました。

■事後アンケートの結果から見えてきたこと
事後に回答いただいたアンケートでも、高い満足度を得ることができました。

・参加者
大人も子どもも楽しめるコーナーが設置されていることに関して、満足の声が多数。また、サポーターへの関心度は65%。子どもが参加することで、保護者の方の「協力したい」という気持ちへつながることがわかりました。

・サポーター
参加者同様に高い満足度を得られ、特に「つながり・交流」や「自分自身が楽しかった」という点がポイントのようでした。また、事前にご協力内容を共有した点なども安心して参加できた理由の一つとなりました。

▼野遊びフェスに参加してくださった皆様
・参加人数:109名(小学生54名・就学児10名・大人45名)
・イベントサポーター:16名(保護者6名・ボーイスカウト3名・ジュニアリーダー2名・大島2丁目町会1名・大島4丁目町会3名・中島町会1名・子ども会1名)
・協力団体:8団体(ボーイスカウト・ジュニアリーダー・大島2丁目町会・4丁目町会・中島町会、子ども会、旭町子ども文化センター、国際自然大学校)

今回、上記のように多くの地域の方々に参画していただき、無事「野遊びフェス」を終えることができました。これも、地域コーディネーターの皆さんが地域のつながりを活かし、各所連携に向けて動いてくださったおかげです。

人間関係が希薄になることも多い現代において、地域コミュニティを育んでいくことは、やはりそこにいる地域の方々のつながりが大切だと改めて感じました。今後もコーディネーターの皆さんと連携して、地域の中での持続可能な取り組みをつくっていきたいです。

文・放課後NPOアフタースクールスタッフ/山田

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