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【ご報告】後編:第3回放課後勉強会「子どもをまんなかに!私たちで描くこれからの放課後」-子どもの育ちやそれを支える地域のこれからを考える

研修

~~~前編はこちら~~~

■分科会3「子どもと地域の未来を共につくる」

前半:社会で育む子どもたちの未来~まちづくり視点からの地域協働実践~(福島県楢葉町教育委員会 猿渡智衛さん)
分科会3前半では、地域ぐるみで子どもの育ちを支え、まちの未来をつくるための実践を続ける、福島県楢葉町教育委員会の猿渡さんにご登壇いただきました。

震災での原発事故を機に、町全域に避難指示が出された楢葉町。一時は「地域」という地盤そのものを失いながらも、まちづくりを一からスタートさせます。

猿渡さん「復興地域だけでなく、地域をつくっていきたいと願う方を巻き込んでいくには、放課後はポテンシャルが高い。『子どもたちのため』のその先に『持続可能な地域づくり』がつながっている。」

平日放課後での地域の方による体験活動をはじめ、土日も活用しながら地元の自然環境に親しんだり、高専の廃炉ロボコンの見学を通して、地域課題への理解を深めるなど、時間や場所にとらわれずに展開。

町内の放課後子ども教室に地域の大人が参画することで、つながりが少しずつ広がっていったといいます。中学生が卓球を教えに来てくれたり、生涯学習サークルへの子どもの参加やスポーツ少年団とのタイアップ、地域イベントの企画段階から子どもたちに協力してほしいと声をかけてもらうことも。

猿渡さん「これからの地域づくりは、地域住民の皆さんが主導。『子どもの教育は学校がすべきもの』というマインドセットを変え、放課後の活動を一つの教育参画の手段として位置づける。地域みんなで子どもの育ちを応援していきながら、まちづくりにも大きな効果を発揮できると感じている。」とお話しくださいました。

後半:地域の企業が伝える地元産業の魅力とふるさとづくり(津島市教育委員会 矢入彩さん/津島毛織工業組合 安達友彦さん)
後半は、私たちと協働している愛知県津島市より、矢入さんと安達さんがご登壇。自治体と地元産業を支える企業が連携した次世代育成の取り組みから、まちづくり視点での放課後の可能性を考えました。

津島市の基幹産業の一つとして発展してきた毛織物ですが、今では工場も減り、大人にとっては聞きなじみのある織機の音も、耳にする機会がすっかり減ってしまったそうです。

矢入さん「今でも毛織物は津島市の魅力の一つなのに、衰退してきたと教わることもあるのはもったいない。世界に誇れる産業であることを子どもたちに伝えたかった。」
安達さん「毛織物を知ってほしい。身近に感じてもらい、次の世代につなげたいという願いがあった。」

こうして、自治体、組合、地元企業、放課後現場という立場の異なるメンバーの皆さんと私たちは、企画開発~実施に至るまでの約4か月間、「子どもたちに毛織物の魅力を伝える」という一つのゴールに向かって走り、話し合いとブラッシュアップを何度も重ねながら「つしまのみりょく大発見!」を開発しました。

プログラムでは、クイズ・オンライン工場見学・毛織物の実物に触れるなどを通して、毛織物について伝えます。子どもたちからは「学校の近くでつくっているのにびっくりした」「制服ができてるってすごいと思いました」との感想が聞かれました。

矢入さんと安達さんは「もっと知りたい!という気持ちも引き出せたのではないか」「チームで一つになって子どもたちに伝えることができた」と振り返りました。

※プロジェクトの軌跡をまとめたブログはこちら

★クロスセッション
「地域の方を巻き込む秘訣やネットワークづくりにおいて意識していることは?」「一方で難しかったことや失敗談も…?」などの話題が上がりました。前者では、猿渡さんが「地方は人口が少ない分、母数が限られる。一人の人がもっているコミュニティとその広がりをフルに活用する」と話してくださり、後者では、矢入さんが「利益優先ではなく、子どもたちのためにという想いを大切にしてくださる方・企業を見つけることはなかなか難しい」とリアルな声を伝えてくださいました。


分科会後の総括で平岩は、“放課後のキーワード”として次の2つを挙げました。
「みんな絶対にいいところがある~放課後に一緒に探そう~」
「みんなでみんなの子どもを育てる~放課後はあらゆる人に出番がある~」

平岩は「日本全国の皆さんと子どものことを語り合えたことが嬉しい。その中には各地域らしさもあって素晴らしかった。みんなの心と体の居場所は放課後にある。こどもまんなかの社会はこうですよと皆さんと実現していけたら。」とまとめました。

■参加者の満足度は98%!
事後アンケートでは、100件以上のご回答をいただき、本勉強会の満足度(とても満足、まあ満足と回答いただいた割合)は98%とご好評をいただきました。

▼参加者の感想

・現場での対応や児童館での工夫の凝らされた活動など、新鮮かつこどもの幸せのつまったもので、良い気づきにもなりました。

・インクルーシブな子どもの育ち、多様な体験を通した学びについて話しを聞いて、具体的にイメージし子どもの成長に多様性が大切であることを改めて認識し理解することができた。

・地域をどううまく巻き込んでいくかのヒントをもらえたと思います。子どもたちのため!だけではなく、地域のみなさんも楽しくなれる、もっと関わっていきたいと思える、その活動が素晴らしかったです。地域の方たちに育てられた子どもたちが、今後地域の大人になっていくのが楽しみになるなとも思いました。

今年度全3回の勉強会には、日本全国から延べ約1500名の方のお申込みをいただきました。子どもたちの育ちをあらゆる立場・かたちで応援される皆様とつながって、学びを深める時間をつくれましたこと、大変嬉しく思っております。本当にありがとうございます!

勉強会の開催案内を、放課後現場から自治体の担当者の方に紹介くださり、自治体単位でお申し込みをしてくださった例や、集合研修が難しい際の、共通の研修としてもご活用いただいているとの例も聞いております。つながりの輪が広がっていくことは私たちにとっても大変喜ばしく、同じ志をもつ仲間が日本中にいることに、いつも勇気づけられます。ぜひ今後もこの学びの場を、周囲の方々へ共有いただけますと幸いです。

2023年度もこのような勉強会を継続していきたいと考えております。詳細は決定次第、団体WEBページ等にて発信予定です。皆様とまたお会いできることを楽しみに、そして新しい方のご参加もスタッフ一同心待ちにしております!

文・コミュニケーションデザインチーム/太田


本研修は、日本財団様の助成により開催いたしました。


【本件および研修会等のご依頼に関するお問い合わせ先】
特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール 事業開発チーム
Mail: kaihatsu[at]npoafterschool.org
※[at]を@に変換してください。

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