ぼくらのSDGsひろめるプロジェクト
2018年より湘南学園小学校アフタースクールでは、放課後の時間に子どもたちとSDGsについて学び始めました。
世界共通の目標というととても大きくて遠いことのように感じますが、自分たちの身近な問題であること、日常生活やこれからの未来につながっていることを子どもたちが"自分ごと"として考えられるように様々な活動に取組んできました。
今、世界中で多くの人が自分にできることを考え、アクションを起こしています。
アフタースクールでも多方面で活動する様々な方々を子どもたちとつなぎ、彼らが自ら考え、行動を起こすきっかけをたくさんつくってきました。
1つ1つの出会いが子どもたちの原動力となり、心と体を動かしていきます。
2018年夏、子どもたちは自分たちができることから、足元から変えていく行動を始めました。
自ら校長先生に提案し、使い終わった歯ブラシを集めて学校中を巻き込んだリサイクル活動を行ったり、校内に手作りのSDGsカードを貼ることでみんなの意識を変えていく活動を始めたのです。日々の暮らしの中での過ごし方や考え方もだんだんと変わっていきました。
すると今度は周囲の大人たちにも変化が起こります。
「私も子どもたちの活動を応援したい」という方が増えていきました。
子どもたちは自分たちの世界を変えたのです。
こうした活動は進化を続けながら現在も継続しています。
2019年に入ったある日、熱心に活動している子がこんなことを言いました。
「SDGsはぼくらにとってとっても大事なことなのに、全然知らない友達もいるよ。大人でも知らない人がいる。SDGsのこと、小学生でもわかるような動画を自分たちでつくりたい!」
そうだね。そうだよね。
子どもたちの想いを受けて、映像制作チームが結成され、新年度間近の3月に撮影が行われました。
★ぼくらのSDGsひろめるプロジェクト/おとなメンバー
制作ディレクション:一般社団法人リテラシー・ラボ 代表理事/千葉偉才也さん
カメラマン:林賢二さん
演出:豊永純子さん
に加えて、この取組みを始めた藤原潤子を筆頭に湘南学園小学校アフタースクールメンバーと広報のすずきかおりが参加!
撮影当日を迎えるまでの間、子どもたちとも意見を交わしながらどんな作品にするか何度も話し合いました。
「短く伝わるCMみたいなやつ!」「面白いやつ!」「なんかハッとするやつ?」
などなど色々とアイディアは出たのですが、なんと結局決まらずに当日を迎えたのです...!(ど、どうなる!?)
困った時は車座です。
「ちょっとフルーツバスケットでもしてみようか」
子どもたちは日常の中で、「これってSDGs?」とよく問いかけてくれます。
無駄遣いや食べ残し、新品の教科書。彼らのアンテナは広く鋭いのです。
「真ん中に立ったら、みんながいつも『これってSDGsの観点だとどうかな?』と思っていることを言って、『そうだな!』と思う人はフルーツバスケットみたいに動いてみようか!
いつもは『フルーツバスケット』って言うと全員動くから、今日は『SDGs』って言った人がいたら全員動こう!」
この時点で大人たちは、やっぱり海に移動してわかりやすい内容で撮影した方がいいのでは?など絶賛悩んでいました(笑)
でもまずは子どもたちの声を聞いてみたかったので行き当たりばったり感満載ですが、とにかく自由に話してもらうことにしたのです。
真ん中に立つ子が話している時は真剣に耳を傾けています。
俊敏!
日々考えているからこそ、子どもたちは想いを持って「これってSDGs?」の視点を場に出してくれます。
何回か繰り返しながら、子どもたちの問いかけの背景などを聞く時間も設けました。
みんな真剣に、そして生き生きと話してくれます。
「SDGsはどれが好きとか、やりたいとかじゃないんだよ。全部大事で、全部やらなきゃいけないんだよ」
そう熱く語ってくれる子も。
そしてある女の子が真剣な表情でこう伝えてくれました。
「これってSDGs?のルールに合ってないんだけど、どうしてもみんなに聞きたいことがあるの」
"今、この地球は平和だと思いますか?"
この続きはぜひ動画でご覧ください。
できるだけありのままをお伝えできればと願い、子どもたちに再現してもらいながら作品を作りました。
彼らは決して悲観していません。"足元から変えていける、この地球をもっと楽しく豊かに"、そう強く信じているのです。
カメラが回っていない間も、様々な議論が子どもたちの間で巻き起こりました。
「この世界」ではなく、「この地球」と無意識に言ってくれたことにも通じているのですが、子どもたちの目線は地面(地球)に近いのです。
人だけでなく、動物や昆虫のことも大好き。みんなの幸せを心から願っています。
「ぼくらが大人になった時、今の地球が守られていて、安心して暮らせるような世界がいい」
子どもたちのまっすぐな想いに自らを顧みます。
毎日毎日、世界中で悲しいニュースが流れています。テレビを見ている間はぐっと胸を痛めるのに離れると日常生活に追われてしまうのが多くの大人の姿ではないでしょうか。
子どもたちはいつもいつもまっすぐ。
行ったこともない、名前も聞いたことのない国で自分と同じ年の子がご飯も食べられずに働いている。
その子のために自分は何ができるのかをずっとずーっと考えています。
今日から何をしましょうか?
明日を変えていくために。
文・写真/本部事務局・広報 すずきかおり