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ソーシャルセクターからビジネスセクターへ〜元事務局長の挑戦〜

近年、放課後NPOアフタースクールでも新卒の方から多くご応募いただけるようになってまいりました。
未来ある若い方にご期待いただき、大変にありがたいことと感じています。
新卒の方を正式にお受け入れできるようになったのは昨年度くらいからですが、団体ができて間もない頃、伝説の新卒入職者がいたことをここでご紹介しておきたいと思います。


この方はかつて放課後NPOアフタースクールの事務局長だった上原惇さん。
2010年春、前年に法人化したばかりのできたてほやほやNPOに、慶應義塾大学を卒業して新卒で入職し、代表、副代表に次いで3人目の職員として団体の礎を築いてきた一人です。

今でも新卒スタッフを募集しているNPO法人はわずかですが、当時はファーストキャリアをNPOに捧げる人がほとんどいなかったのではと思われます。
3人しかいないので、必然的に事務局長に就任した若き上原青年は、丸4年間の日々を放課後NPOに捧げ、卒業後「楽天グループ」に転職、現在に至るまでご活躍されています。

ご縁あって今年、放課後NPOアフタースクールは「Rakuten Social Accelerator」の協働団体に選出いただき、
なんと!プロジェクトの支援チームメンバーとして、上原さんが担当してくださることになったのです。

こんな偶然あるでしょうか...。

そんな上原さんに、広報佐藤が突撃インタビューをしましたので、ぜひお楽しみください!

佐藤)突然呼び出してすみません、今からインタビューします!
上原)え!?
佐藤)始めますね
上原)ほう!
佐藤)そもそもどんなきっかけで放課後NPOに入職したんですか?(あの本に書いてあるけど)
上原)大学3年の終わりに一人でフィンランドに行ったんですが、当時から「世界一の教育」と言われるフィンランドでは、学校だけでなく、放課後という時間も含めて広い意味の教育を行っていると肌身で感じました。放課後における教育の可能性にとても興味を惹かれながら日本に帰ると、周囲では就活が終わっていてちょっとフラフラしてました(笑)
そんな時、大学時代の先輩が紹介してくれたシンポジウムで代表の平岩さんが登壇していて、挨拶したのが最初の出会いです。それから放課後NPOでボランティアをするようになりました。

佐藤)フィンランドからの平岩代表、運命ですね。
上原)保育士になろうと思ってたのでアルバイトしながら資格も取得中だったんですが、ボランティア参加してるうちにNPOもいいなって思えて、副代表の織畑さんとも密にやりとりしてたので、気づけば入職していましたね。

佐藤)気づけば(笑)親御さんの心配とかなかったんですか?
上原)放任主義なので全然。
佐藤)ほ〜。大きいNPOならともかく当時は相当アドベンチャーな働き方だったと思うんですが、辛いこととかありました?

上原)あったあった(笑)
最初は事務所らしい事務所がなかったのでカフェとかで仕事してたんですが、新卒でいきなり一人カフェ仕事とかレベル高くて。基本単独行動になるので、気持ち的にも辛かったかな。
あとはコミュニケーションがね...。
電話嫌いだったんで、電話出るのもするのも苦手でしたね。平岩さんからの電話もちょっと(笑)でも不思議と将来の不安とかはなかったですね。

佐藤)確かに目標になる近い先輩がいないのはさみしいですよね。では、働いてみて一番の魅力は何でしたか?
上原)職種を問わず何でもできたことですね。一般企業だと営業、総務、マーケティングとか部署が分かれて切り分けた仕事をすることがほとんどですが、全部自分でできるのは大変な一方ですごく楽しかったし、これらを経験できたのはとても良かったです。
佐藤)わかります!!団体もようやく分担できる体制にはなってきましたが、幅広くいろいろと関われるのはすっごく魅力ですよね。
上原)営業にも回ったし、自分で企画して現場も回して、なかなかできない経験でしたね。それから日本全国に行けました。アフタースクールの立ち上げ相談とかもだし、2011年以降は被災地支援でも色々とおうかがいしました。声がかかればどこにでも。

(在職当時の上原さん)自ら企画したプログラムを子どもたちに届ける

佐藤)充実の日々だったことがよくわかります。そんな上原さんが放課後NPOを卒業するきっかけは何だったんですか?
上原)やっぱり外の世界を一回見てみたくて決めましたね。平岩さんは最初から応援してくれて、それがすごくありがたかったです。
佐藤)ふむふむ。楽天さんに行った理由はなぜです?
上原)たまたまエージェントリストにあったのと、家族が楽天市場のヘビーユーザーだったからですかね(笑)
佐藤)なるほど笑。じゃあちょっと真面目に。ファーストキャリアNPOから企業への転職って率直にどうでしたか?周りにオススメしたいとか。
上原)多分、みんなやったらいいと思う。営業、企画、現場運営、世の中には色んな仕事があるけど、自分の強みって最初わからないので、そういう意味ではNPOは本当に幅広く経験できるし、新卒で迷ってる子がいたらまずNPOを勧めると思います。

佐藤)長くNPOにいると、自分が企業で通用するのか心配な人も多いと思いますが、転職して感じたことは何でしょう?
上原)NPO出身だからこそ会社に期待いただいたこともあるかなと思います。企業の仕事はどうしてもパーツになりがちなので、放課後NPO時代の経験で言えば他社への企画提案経験が一番評価いただいた気がします。あと、相手のことを考えて仕事するってもちろん企業でも当然みなさんそうされてるんですが、僕は目の前に支援したい対象がいて、「誰かのために働く」をがむしゃらにやってきたので、社内でどんな仕事を任されてもこのことを忘れずに、会社の期待に応えていきたいですね。
佐藤)上原さん個人の魅力を社会のためにどう活かすかを楽天さんが大切に考えていらっしゃるように感じました。素敵な会社様に転職されましたね。

佐藤)では、次はちょっと広い視点で。NPOも企業も社会課題を解決する時代になってきましたが、両方経験されて何か思うことはありますか?
上原)企業もNPOも向かってく場所はあまり変わらないですね。ビジネスモデルが違うだけで、基本的には同じだと思います。得意不得意があるのでうまく役割分担したらいいんだなと。
一方で、「なぜ自分はこの仕事をやってるか」という情熱は明らかにNPOの方が強いと思います。そもそもビジョンやミッションに共感して入職するので帰属意識が強い方がNPOは多いと思いますが、大きい企業だと目の前の仕事が世の中にどう繋がっているのかイメージしにくいこともあるんですよね。自信をもって自分をプレゼンできる人あまりいないかもしれません。

佐藤)とても大事なことですよね。社会を変えるのは人の想いですからね。
さて、そんな上原さんの今後の抱負をお聞かせください。
上原)赴くままにやればいいんじゃないですかね。
佐藤)と言いますと?
上原)転職してからもありがたいことに少しずつ自分の活動の幅が広がっていて、想いを持って取り組むことを会社や周囲の人が後押ししてくれています。
世の中にお返しすることで感謝を伝えていきたいですね。

佐藤)素敵なお話をありがとうございます!では最後に放課後NPOへのエールを!
上原)働く人たちのテンション(熱量)、ソウルみたいのが継承していったらいいですよね。放課後NPOソウルがずっと続いていきますように!

文・インタビュー:本部事務局 広報/佐藤

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