丸の内キッズジャンボリー2日目 涼を感じる匠の技 江戸風鈴の絵付けを体験
8月14日から8月16日までの3日間、東京国際フォーラム・丸の内キッズジャンボリーで開催された「ワザ伝!日本のモノづくりを学ぼう!」。
2日目の報告をさせていただくのは、私学生インターンの天田です。
今年の8月も暑い日々が続きましたね。
みなさんはどうやって暑さを乗り切りますか?
私は冷房のついた部屋でアイスを食べます!
でも、扇風機も冷房も十分にない時代はどうやって暑さをしのいでいたのでしょうか。
そんな時代から涼しさを届けてくれているのが、2日目に技を学ぶ風鈴です。
今回、風鈴について伝授してくださったのは、篠原まるよし風鈴の篠原さん。
一年に何と数万個の風鈴を作っていらっしゃるそうです。
はじめに、風鈴の歴史や作り方について学んでいきます。
篠原さんたちは、「江戸風鈴」と呼ばれる風鈴を作っており、日本では篠原まるよし風鈴を含め2カ所でしか作られていないそうです。
実際に、篠原さんが風鈴のガラスを膨らませる動画が流れると、
会場からは大人も含め「ふくらんでる!」「すごい!」と感嘆する声が聞こえました。
クイズを通じて風鈴の理解もさらに深めていきます。
「外国の人も注目する風鈴。その魅力とは絵、音、ガラスの形の3つの美しさのうちどれでしょう?」
「はい!」と子どもたちの間から手があがります。
「音だと思います!」という答えが多かったのですが、みなさんはどう思いますか?
正解は、絵の美しさ・音の美しさ・ガラスの形の美しさの全部でした!
この答えには「いろいろなところがいいんだね」と子どもたちからもびっくりする声が。
風鈴は日本が世界に誇る素晴らしい作品ですね。
次に子どもたちもお待ちかね、「風鈴の絵付け」にはいっていきます!
風鈴にはそれぞれ思いがこめられています。
例えば、絵一つにしても、花火は魔除け、金魚は金運、花は心の癒しなど様々な意味があるそうです。
こういった絵を、細い筆、平たい筆の2つを使って、巧みに先生は表現してみせてくれます。
みんなも息をのんで、その技に釘付けでした。
軽々とガラスに描いていくとあっという間にお花ができました。
「うわ!すごい!」「綺麗!」と驚嘆の声があがります。
お花の美しさに呼応するように、風鈴も澄んだ音色を奏でていました。
しかし。次の瞬間、お花はぐしゃぐしゃに。先生がお花を青色で消してしまいました。
「できない、うまく書けないよ。といって、むしゃくしゃしてやけになっちゃう子がいるんだ。けど、そうすると風鈴の音が悪くなるんだよ」と先生は風鈴を鳴らします。
「なんか音がさっきと違う」と子どもたちからも反応があります。
ここで先生は「おじさんはね、一個一個気持ちを込めて描いているんだよ。みんなもそういう気持ちで描いてね」と、ものづくりには気持ちが大事だということを教えてくれました。
道具を大切にする気持ちについてもおっしゃっていました。
技は、技術に加えて、その身の回りのものへ気遣う気持ちなど、心の面も含めた技であると感じました。
その言葉を思い出しながら、みんなも取り組んでいきます。
先生からはもう一つメッセージがありました。
「今回は、風鈴に絵を描くことに集中しよう。」作品にしっかり向き合うことも大事です。
自分のイメージする風鈴作りに、とても真剣に取り組んでいます。
完成!
「涼しい音がするなあ」
出来上がった子は、さらにうちわづくりもしました。
最後に先生とお別れです。
「上手じゃなくていいから、気持ちを大事にする」という先生の言葉は、丁寧に下書き練習をしたり、一筆一筆にこだわる子どもたちをみて、確実に響いていると感じました。
それぞれが風鈴作り、モノづくりに誠実に向き合った、夏の思い出の一つになりました。
2日目にご協力いただいた、あんしん財団様、篠原さん、本当にありがとうございました!!!