放課後NPOの遠足〜デザイン思考でゲームを作ろう!ワークショップ with慶應義塾大学武山ゼミ〜(2014/11/08)
ついに放課後NPOの遠足も、デザイン思考の領域に足を踏み入れました。
”デザイン思考ってなに?”という方も多いかも知れませんので、今回一緒にワークショップを開催する慶應義塾大学 経済学部 武山ゼミのウェブサイトから引用してみましょう。
『デザイン思考は、問題の性質や範囲が明確でない状況において、探索的に問題と解答を同時に導いていくアブタクティブな推論に特徴があり、抽象と具象、感覚と論理を往復します。』
なるほど、更に謎が深まりました・・・。
つまりは、どういうことなのでしょうか?
小学生と一緒に、この謎を解き明かす遠足に出かけてみたいと思います。
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今回放課後の遠足にエントリーいただいた親子40組と一緒に訪れたのは、都営地下鉄三田駅が最寄りの慶應義塾大学三田キャンパス。壮観なイチョウ並木と歴史を感じさせる校舎に囲まれた敷地で”キャンパスツアー”です。
なんとソフトバンクさんの協賛でスマートフォンを10台ほどご提供いただき、ちょっとした仕掛けをしました。40組を2つのグループに分けて、Aグループが先にキャンパスツアーへ出発。5箇所ほどのチェックポイントで写真をとり、LINEグループに投稿。時間差で出発したBグループは、投稿された写真を元に、チェックポイントを探しながらツアーをするのです。
ここで驚きだったのは、子どもたちがスマートフォンを説明なしで使いこなしているところ。そうですよね、彼らが生まれた頃には、すでに一人1台の携帯電話が当たり前、初代iPhoneは2007年でしたので、小学1年生とほぼ同い年ですね(笑)これぞ、デジタルネイティヴ!!
Aチームの子どもたちは、遊びゴコロも手伝ってか、ひっかけ問題の写真もアップしていました。Bチームのみんなは、きっと道を迷ったに違いない(笑)
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キャンパスツアーを終えた子どもたち、大学生のお兄さん・お姉さんから”大学生の生活”について教えてもらいます。
「小学校は決められた時間割だけど、大学は自分で好きな授業を取るんだよ。お兄さんは水曜日を休みにして、1日中寝ています!」
「カバンの中身、公開しちゃいます、教科書は入っていませんが、友達からもらったぬいぐるみが入っています。」
子どもたちから「うらやましいなぁ〜」という声が聞こえたかと思えば、保護者席はザワザワ・・・。いやいや、勉強していない訳ではないのですよ、キチンとやることは、やっています(笑)
そして大学といえば、“学食”ですね。三田キャンパスの学生食堂メニューと、周辺にあるオススメのお店を紹介していただきました。ラーメン好きな方ならご存知の”ラーメン二郎”の本店は、ここ三田にあります。クセになる味、ブログを書いている私も大好きです♪
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さて、本日のメインテーマとなる“デザイン思考を使ってゲームを作ろう!ワークショップ”の時間です。
まずは、お兄さんからの説明です。
「なかむら けんすけくんという男の子がいます。彼のお母さんは、今とっても悩んでいます。それは・・・」
悩み1:ありがとうが言えない
悩み2:お金の計画を立てられない
悩み3:ものを大切にしない
悩み4:お友達の気持ちを考えられない
その場でアフレコが始まって、おもしろかったです。
この悩み解決のために、“デザイン思考を使ってゲームを作ろう”というのが今回の趣旨です。デザイン思考でまず重要なのは、“ペルソナ”という具体的な人物像を設定することです。「なかむら けんすけくん」のプロファイリングをするわけですね。もちろん架空の人物ですが、ここをより具体的にイメージできるかが、よいゲームを作る秘訣です。
次は、フレームワークを使ってストーリーを作っていきます。
====考える時間====
STEP1:けんすけくんの一番直したほうがいいところはなんだろう?
STEP2:けんすけくんはどんな子になってほしいかな?
STEP3:どうしてそれができるんだろう? おしばいを作って、考えてみよう!
STEP4:どうしてそれができるんだろう? なにをしたらいいんだろう?
STEP5:ゲームを考えてみよう。ゲームカードを選んでみよう!
STEP6:ゲームの名前と遊び方を書いてみよう!
====やってみる時間====
STEP7:グループAとグループBでそれぞれ作ったゲームを交換してやってみよう!
STEP8:自分の作ったゲームを振り返ってみよう
デザイン思考で大切なのは、プロトタイプを作ったら、まずやってみる。そしてフォードバックを受けて、よりよくするという繰り返し、すばやくグルグル回すこと。今回のワークショップでは、「ストーリーを考えて、作って、やってみる」というところまで頑張りました。
ところで、このワークショップには、“優秀なファシリテーター”が必要不可欠です。
今回の遠足にエントリーいただいたのは、年長さんから小学6年生までと幅広く、“かなり予想外”な反応があったようで、お兄さん・お姉さんもタジタジだった様子が伺えましたが、そこはさすが慶應義塾大学の学生さんですよね、見事にファシリテーションをしていました!
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プロトタイプが出来上がったところで、ランチの時間です。三田キャンパスには、“山食”と呼ばれる大学OBの皆さんには聖地といっても過言ではない有名な学食があります。名物のカツカレー、美味しかったです。見てください、この食べっぷり!
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お腹がいっぱいになり、いよいよゲームをやってみる時間です。
順番にゲームのルール説明をしたら、みんなで遊んでみます。盛り上がりすぎて、教室の温度が3度は上がったような気がしました!
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今回のワークショップ、武山ゼミの優秀な学生の皆さんが、徹夜続きで作ってくださいました。今の時代、たくさんテレビゲームやスマホゲームが世の中に溢れていますが、“日常生活のちょっとした悩みや疑問を、手軽にゲームにして解決する“という手法を学ぶことができたのは、まさに目から鱗でした。
見学席に座っていらっしゃった保護者の皆さまの中には、”家事をお手伝いさせるにはどんなゲームがいいかな”と考えていらっしゃる方も?
逆に、”おこづかいを増やしてもらうためにはどんなゲームがいいかな”と考える子どもたちもいたりして(笑)
武山ゼミのみなさん、本当にありがとうござました。
ご参加いただいたみなさん、放課後NPOの遠足にまたいらしてくださいね!お待ちしています♪