【帝京大学小学校アフタースクール】子どもたちの「放課後」に、10年分のありがとうを ~アフタースクール10周年企画|未来を語るトークセッション~
2026.02.20
アフタースクール帝京大学小学校アフタースクールは、2025年に開設から10年を迎えました。私たちは、協働させていただいている帝京大学小学校と保護者の皆様に、10年分の感謝をお伝えしたい、そしてこれからの10年、子どもたちの未来について一緒に考えていきたいという思いから、1月24日(土)に10周年を記念したトークイベントを開催しました。
当日は多くの保護者の皆様にご参加いただき、帝京大学小学校の石井卓之校長先生、フリーアナウンサーの青井実さん、そして放課後NPOアフタースクール代表理事・平岩国泰と共に、子どもたちの未来について語り合いました。
■「これまでの10年」を、保護者と共に振り返る
不安の時代と言われた10年。コロナ禍や社会の分断を横目に、私たちは日常を手探りするように過ごしてきました。
イベントでは、ゲストと保護者の方々にスケッチブックとマーカーを配布し、それぞれの10年を振り返っていただきました。スケッチブックに書かれた10年を象徴するワードはさまざま。
保護者の方々からは「子ども中心の生活に変わった」「コロナで愛の大切さを実感した」という声が上がり、子育ての苦労と喜びが同時にあることを会場全体で共有しました。
平岩からは「いろいろ不安なことも多い10年でしたが、子どもの心を大切にということは変わっていません。そして、皆さんご自身の時間もどうか大事にしてほしい。皆さんが幸せそうにしていることが子どもにとっても幸せだし、子どもが好きなことに夢中になると保護者も幸せになれます。」 とメッセージ。
子どもの夢中は、大人の幸せと響き合う——その実感が静かに会場に広がりました。


■青井さんが語る「これからの10年」に必要な力——コミュニケーション
AIやテクノロジーが進むいま、必要な力は何か。青井さんが強調したのは「コミュニケーション」の価値でした。
青井さんは、アナウンサーとして膨大な情報を扱いながら、「自分の目で見たものを信じる」というスタンスを大切にしていると語りました。ネット情報があふれる時代だからこそ、実際に“自分で見て、話し、確かめる”姿勢が重要になるというのです。
さらに印象的だったのは、テレビで共演した大スターの歌手とのエピソード。舞台裏で「私、緊張してるのよ」と声をかけられた瞬間のことを、青井さんはこう語りました。
「距離が縮まり、相手が自分を大切に思ってくれていると感じた。コミュニケーションは、まず相手を安心させることなんだと分かった。」
AIが発展した時代になっても、最後に人を動かすのは言葉であり、気持ちであり、人と人のつながり。その言葉には、これから子育ての中心に入っていく青井さん自身の実感が込められていました。

■校長先生が示す、子どもを信じて委ねる教育
石井校長先生のお話からは、一貫して「子どもの可能性を信じる」姿勢が伝わってきました。
象徴的だったのが、4月に突然行った避難訓練の話。6年生が1年生を導く形で実施すると、子どもたちは見事に動いた一方、教員の方が混乱してしまったというエピソードでした。
「子どもは思った以上に力を持っている。大人が道筋を決めすぎると、その芽が育たない。」
校長先生はそのことを強調していました。また、アリを毎日観察して種類を調べた子、独学でダイヤモンドの絵を極めた子の話も紹介されました。
子どもの“夢中”を否定せず、「いいね」と認めるだけで、学びは自走し始める。その瞬間を、校長先生ご自身が何度も見届けてきたからこそ語れる言葉でした。
子どもの個性を引き出し、光を当て、その子にしかできない物語を育てていく——その教育観は、会場の多くの方の心に響きました。

■保護者の皆様がつくった、あたたかな時間
イベント後、参加された保護者の皆様から、「アフタースクールと学校の思いが聞けて、10年続けてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです」「アフタースクールの10年とともに、自分の10年も振り返るきっかけになった」といった、たくさんの嬉しい声をいただきました。
こうした言葉の一つひとつから、当日のあの空間が“学び”であると同時に、“救いや安心”の時間でもあったことを感じました。
普段なかなか立ち止まれない忙しい日々の中で、「子育て」や「子どもの未来」に静かに向き合える時間は、実はとても貴重なのではないかと思います。だからこそ、参加者の皆様同士が気軽に話し合い、うなずき、時に笑い合いながら、温度のある対話が生まれていったことが何より嬉しく感じました。


■これからの10年も、保護者と学校と共に。子どもをまんなかにした放課後へ
10年分の放課後には、数えきれない“芽生えの瞬間”がありました。そして、今後どんなに時代が変わっても、子どもが“自分の好き”を見つけ、仲間とかかわり、夢中になれる時間が必要です。
放課後の時間は、こうした「挑戦する意欲」や「信頼」を育む場そのもの。これからの10年は、もっと多くの「好き」が生まれ、「挑戦する意欲」が育ち、「信頼」が広がる時間にしていきたいと思っています。
最後に、当日参加してくださったすべての保護者の皆様へ。
あたたかな空気をつくってくださったのは、皆様が「子どもを想う気持ち」を真ん中に置いてくださったからです。一緒に過ごせたこの時間は、私たちにとっても宝物になりました。
これからも、子どもたちの未来を共に支え、共に喜び、共に歩いていける場であり続けます。
10年間の感謝を込めて。そして、これからの10年もどうぞよろしくお願いいたします。

文・帝京大学小学校アフタースクール/三上