神奈川県川崎市|放課後等の子どもの居場所づくり推進事業
概要
| 令和6年度 放課後等の子どもの居場所づくり推進事業 | |
| 地域 | 神奈川県川崎市高津区(東高津小学校・東高津こども文化センター) |
|---|---|
| 発注機関名 | 川崎市こども未来局 青少年支援室 |
| 実施期間 | 令和6年8月~令和7年3月 |
| 実施体制 | 特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール |
| 事業目的 | 子どもの声を反映し、多様なニーズに応じた放課後の居場所づくりの推進 |
| 参考情報 | 放課後等の子どもの居場所について(川崎市公式サイト) |
| 受賞歴 | 本プロジェクトが第19回キッズデザイン賞を受賞しました |
| 関連ページ | 神奈川県川崎市|子どもの居場所づくり_子どもの意見聴取手法例【評価グリッド法の活用】 神奈川県川崎市|子どもの居場所づくり_児童館内に小学校高学年~の放課後の居場所、完成! 神奈川県川崎市|子どもの居場所づくり_子どもの意見聴取手法例【アフタースクールをまるっと体験!】 神奈川県川崎市|放課後の居場所づくり【子どもの声を基に小学校内一室を改変】 |
背景
川崎市では、全ての子どもが、将来にわたって幸福な生活を送ることができるよう、当事者である子どもの意見を採り入れながら、放課後等において子どもが安全・安心に過ごすことができる居場所づくりの推進を図ってきました。本事業は、子どもたちの多様なニーズに応じた空間づくりと運営のあり方を検証することなどを目的として行いました。
実施スケジュール/一部抜粋
■2024年8月:候補地の視察と選定(小学校とこども文化センター)
■2024年10月〜11月:実態把握と意見聴取(アンケート・ワークショップ)
■2024年12月〜2025年1月:環境整備
■2025年2月:準備会・お披露目会と試行運営(小学校・こども文化センターそれぞれ4日間)
■2025年3月:効果検証
ポイント
空間デザインのプロと連携し、こどもの声を空間設計に活かす!
本事業では、共同企業体として株式会社乃村工藝社と共に事業を受託、子どもたちの声を丁寧に聴き取り、空間設計に反映するプロセスを重視しました。アンケートやワークショップを通じ、子どもたちが「居たい」「行きたい」「やってみたい」と思える空間を共に考え、実際の設計に活かしています。
特に、子ども達から出てきた意見を更に深堀し、“アイデアに潜んでいる気持ち”を子ども達から聞きとることを大切にしました。低学年では「多様な遊び」「落ち着いて過ごせる空間」、高学年では「静かに過ごせる」「友達と遊べる」などのニーズが表れましたが、どちらにおいても、子ども達の多様なニーズに応じた環境を設計。
小学校では、どこでどんな遊びができるのか一目でわかるゾーニングを行うことで、子ども達が自ら遊びを選び、主体的に過ごすことができました。子ども文化センターでは家具の種類が違うことで、子ども達のパーソナルスペースを守り、学年が違う子同士でも一緒の部屋で過ごすことができました。
一連の流れから、発達段階に合わせた子どもたちの多様なニーズに応じた空間づくりと運営のあり方を検証しました。

こども文化センターでのワークショップを受けた設計図

小学校でのワークショップを受けた設計図
関係者の声
小学校の居場所を利用した児童の声(アンケートより)
「ここを作った人たちに感謝したい」「また来たい」「もっと遊びたい」
「クワイエットルームでUNOができて落ち着けた」といった声が聞こえました。
こども文化センターの居場所を利用した児童の声(アンケートより)
「完璧!」「十分楽しかった」「人気出過ぎそうでちょっと怖い」
「ジュース飲み放題がほしい」「柔らかい椅子が欲しい」「スマホの充電器があると嬉しい」といった、機能についての要望もさらに子ども達から上がりました。
川崎市こども未来局青少年支援室 担当者 より
「子どもの意見を取り入れよう」と言いつつ、実際には子どもが何か言えば「それは無理なんだよ」と返してしまいがちです。そういう建前と現実のズレを、子どもたちはものすごく敏感に感じ取っています。
「子どもの声をどう取り入れるか」は、本当に繊細で難しいテーマでしたが、今回、放課後NPOアフタースクールさんや株式会社乃村工藝社さんにご協力いただき、子どもの声を活かした居場所づくりに取り組むことができました 。
株式会社乃村工藝社 空間デザイナー より
放課後NPOアフタースクールの皆様の豊富な知見に助けられながら、ワークショップやヒアリングを通して子どもたちが少しでも「居たい」と思える空間を作ることを目標に取り組みました。子どもたちが楽しんでいる様子や、実際に使ってもらったことで得られた皆様からのフィードバックは、アンケートだけではわからない“リアルな声”であり、わたし自身にとっても貴重な学びになりました。
放課後NPOアフタースクール 担当スタッフの声
アンケートから聴こえる声だけでなく、ワークショップやトライアルを通じて、多様な子どもたちの声を聴き、本当に行きたいと思える居場所づくりに活かすことができました。どのような空間であると居場所スタッフが見守りやすく、子ども達が行きたいと思えるのか多様な立場の大人が協力しあい、子ども達の居場所づくりができたことを大変うれしく思います。
今後に向けて
これからも、川崎市の子どもたちが行きたいと思える居場所づくりに貢献していきたいと思います。