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【星美アフタースクール】「ずっと子どもでいたい!」と思える居場所に

この夏、星美アフタースクールでは「好きでつながる、好きを深める」というテーマを掲げて、プログラムの設計や環境設計の工夫を行ってきました。今でもずっとこのテーマを心に留め、日々運営しています。

今回このように発信できる機会をいただき、真っ先に「アフタースクール」という居場所の価値について発信したいと思いました。

「好きでつながった仲間に出会える」ということは、子どもたちにとって本当に価値のある、かけがえのない経験だと感じています。そう強く思うのは、いつも「先生。暇!」といってスタッフから離れなかったある男の子の成長を目の当たりにしたからです。

彼が一年生のとき、何度もこの言葉を繰り返すので、「普段お家では何をして遊んでいるの?」と聞くと「一人で電車遊びをしている」と答えました。

アフタースクールでも、プラレールや線路のように組み立てて遊ぶことのできる積み木など、電車好きの子に合わせた遊びがいくつかありました。これらの遊びを示しながら、「一緒に遊ぼうよ!」と提案するのですが、「やっぱりいやだ。暇になった!」と言い、居室の隅に隠れてしまう日が続いていました。

そんな日が続いたあるとき、たまたま私自身の「朝の満員電車が大変だった」という話をすると、彼も大きく頷き、「ランドセルを背負っての登校が毎日大変だ」という話になり、しばらく「通学・通勤トーク」で盛り上がりました。このときはじめて彼と「何気ない会話」をすることができたように思います。

すると横でその話を聞いていた違うクラスの男の子が、何やらこの会話が気になっている様子でした。

「○○君も電車好きなの?」と聞くと、待っていました!とばかりの反応があり、そこからはもう私の入る隙間はなく、好きで繋がり合った二人の世界となりました。

これまで、遊びを提案しては断られる。というのを繰り返し、どこか必死になって会話をしようとしていた関係性から、ふと力が抜けたような感覚がありました。

たしかに本来友達というのは肩肘張らずにいられる関係であるべきで、なによりも好きでつながれる仲間ができると、こんなにも生き生きと目が輝くのだと思いました。

そしてこの出来事は、私たち大人の役割はただ多様な選択肢を「用意するだけ」ではないのだと気づくきっかけにもなりました。自分の好きを共有できる仲間がいたり、深めあったりすることができたときに初めて子どもたちの個性が引き出されるのだと感じました。

彼らも今では、利用日の重なる日に合わせてお互いアフタースクールでその日どんな電車の遊びをするかを、学校の休み時間を使って話し合っているそうです。「アフタースクール」が、好きでつながる居場所になっているということが何よりも嬉しく、学校でも家庭でもない新たな居場所として「アフタースクール」があることに大きな価値を感じました。

大人になることを急がされず、等身大の自分でいられること。

子どもたちが子どもらしくいられること。


「子どもでいられる時間」が限りあるものであるからこそ、「ずっと子どもでいたい!」と無邪気に言う姿を見た時に、この居場所を心から守りたいという気持ちになります。

多くの子どもたちにとって、心が自由でいられる居場所ができること、そしてその道標をこのアフタースクール拠点で築き上げていきたいと思っています。

文・星美アフタースクール/久保田

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