【開智アフタースクール】高学年の子どもたちにとって、放課後の居場所とは?
こんにちは、開智アフタースクールです。
開智アフタースクールでは、低学年から高学年まで様々な学年の子がそれぞれの放課後の時間を過ごしています。その中でも高学年(5・6年生)の子どもたちは、どのように放課後を過ごしているのでしょうか。
10代の始まりという楽しくも複雑で、多様な子どもたちの気持ちが詰まった時間があります。
今回は、子どもたちのエピソードをお伝えしながら、高学年の子どもたちにとって、放課後がどのような居場所になれるのか、考えたいと思います。
テスト終わりのある放課後、5年生6人ほどの子どもたちの話に耳を傾けていると突然、
「あー、イライラする!」「わかる!なんか腹立つよね!」
と大きな声で言い始めました。聞いてみると、学校のことや日常の事、それぞれに事情がありながら、感情を共有することで盛り上がり、どんどんヒートアップしています。
大人からも質問をしながら聞き、ある程度おさまったところで「先生でもないし親でもないから聞くことしかできないや。ごめんね。」というと「逆に聞いてくれるだけの人はありがたい!」と怒り交じりに感謝を伝えてくれました。その後もおさまらない子どもたちは、柔らかいものを思いっきり叩くことの提案をすると、「ちくしょーーー!」と言いながら叩いて発散していました。
子どもたちは学年が上がるにつれて、規律を正すことや模範となることを求められることが多くなり、「嫌だ」と素直に言える場所が少なくなっているのかもしれません。そうだとすると、「『嫌だ!』を大きな声で言える」居場所があることも、高学年の子どもたちにとって大切なことだと感じています。
高学年になると、複数人で話しながら心理戦を楽しむゲームをできる子どもが多くなっていきます。
ある日も5人で遊びが始まりました。様子を見ていると、自分たちでルールを確認しながら進めていきますが、なかなかうまくゲームが成立しません。ルールをよく知っている子も初めての子も同級生であることや、日常の関係性があることが影響し、フラットに一つのゲームを楽しむ雰囲気になりづらいように見えます。
そこでプレイヤーとしてゲームに入り、要所でルールの確認をしながら進めていきます。すると、「○○ちゃん嘘ついてたの~?!」「話合わせてたのにだまされた!」と、そのゲーム本来の心理戦を楽しめている様子で、その後は外から眺めていましたが高学年だけの少し高度な遊びを楽しんでいる様子が見られました。
心理的な成長は、遊びにも見られます。ついこの前まで楽しいと思っていたものがつまらなくなり、今まで楽しむことができなかったものを楽しいと思えるようになる。だからこそアフタースクールは、”新たな楽しい”を見つけられる場でありたい。そして、その楽しいを体験するためには、時に大人のサポートが必要となるのだと感じた瞬間でした。
高学年の子どもたちは、放課後で様々な一面を見せてくれます。
そんな子どもたちにとってアフタースクールにいる大人たちは、親でも先生でもない、「大人の友達」のような存在なのでしょう。今回は子どもたちと大人が共に過ごす放課後の一つとして「感情を発散して共有できる居場所」「新たな“楽しい”を見つけられる居場所」を子どものエピソードを交えてお伝えしました。
子どもたち全員が、それぞれのかけがえのない10代をこれから過ごしていくことになります。これからどんなことに一緒に挑戦できるのか。大人たちも楽しみながら一緒に放課後を創っていきます。
文・開智アフタースクール/水橋