【子どもの声からはじめる】川崎市「未来の校庭デザイン大作戦」、理想の校庭ビジュアルイメージが完成しました!
川崎市教育委員会が進める「みんなの校庭プロジェクト」の続報です。
2024年7月31日に開催された「未来の校庭デザイン大作戦」(詳細はこちら)、2024年9月7日に開催された「未来の校庭デザイン~大人ディスカッション」(詳細はこちら)でいただいた多くのアイデアをもとに作成を進めてきました「理想の校庭デザインビジュアルデザイン」が完成しました!
今回は、作成を担当された乃村工藝社の大和さんにお話を伺いました。このプロジェクトは、川崎市の校庭を「理想の空間」にデザインするもの。子どもと大人の意見を集め、それを形にする特別な挑戦です。「みんなが思う“理想の校庭”って、どんな場所だろう?」そんな問いかけから始まったこのプロジェクト。大和さんたちは、みなさんの声をどう整理してデザインに落とし込んだのでしょうか?
乃村工藝社・空間デザイナー/大和涼葉さん
株式会社乃村工藝社 クリエイティブ本部所属。一級建築士。
京都工芸繊維大学大学院 建築学専攻卒業後、2020年に乃村工藝社に入社。
オフィスや展示会、科学館など、様々なジャンルの空間創りを手掛ける。
ワークショップで集まったアイデア
まず、子ども・大人、それぞれが参加するワークショップを実施。「どんな校庭があったら楽しい?」という問いに、「噴水で遊びたい!」「キャンプファイヤーがしたい!」「木に登りたい!」など、自由で楽しい意見が次々と飛び出しました。
子どもも大人も同じ夢を持っている?
意外なことに、子どもと大人の意見には共通点がたくさんありました。たとえば、ある参加者の方は「子どもの頃、意味もなく穴を掘っていた」というエピソードを交えながら「校庭で穴を掘りたい」とアイデアをお話しされていました。きっと校庭は、大人の皆さんにとっても子ども時代の楽しかった思い出がバーッと浮かんでくる特別な場所なのかもしれません。
アイデアをどうカタチにする?
集まったアイデアを、大和さんたちは最終的に4つに分類しました:
- ワイワイ遊ぶ場所に関するアイデア(運動や水遊びなど)
- 自然と触れ合える場所に関するアイデア(木登りや花を育てるスペース)
- 静かに過ごす場所に関するアイデア(読書やおしゃべりができる空間)
- 特別なイベントができる場所に関するアイデア(夜の探検やキャンプファイヤー)
分類する時には、アイデアに潜んでいる気持ちを想像することを大切にしたそうです。例えば、「昼寝がしたい」という意見については、「眠りたいだけではなくて、友達と寝転びながらおしゃべりしたいのかも?」と解釈。「キャンプファイヤーがしたい」という意見は、「夜の学校で特別な体験をしたい」という願いに置き換えました。「言葉の裏にある本当の気持ちを想像することで、より多くの願いをカタチにしたいと考えました」と大和さんは話します。
校庭をゾーニングする
次に、大和さんたちは「ゾーニング」という方法で校庭をいくつかのエリアに分けました。木陰の多い場所は「静かに過ごすエリア」に、日当たりのいい場所は「自然と触れ合うエリア」にするなど、校庭の特徴を活かしながら配置を考えました。
夢と実現のバランスを大切にする
一方で、「夢物語で終わらせない」という現実性も大切にしたそうです。大きな噴水や複雑な遊具など、実現が難しいものはシンプルな仕掛けに置き換え。「実際に作れるかも!」と思ってもらえるデザインを目指したそうです。
最後に
大和さんは、「このデザインがどこかで実現して、みんなが楽しく使ってくれたら最高です」と笑顔で語ってくれました。一部でも形になれば、それが他の学校や地域に広がるきっかけになるかもしれません。
みなさんの校庭も、こんなふうに楽しい空間に変わったら…想像するだけでワクワクしますね!プロジェクトのアイデアが現実になる未来が楽しみです。
理想の校庭ビジュアルイメージ_俯瞰図
理想の校庭ビジュアルイメージ_目線図
理想の校庭ビジュアルイメージ_目線図