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【峡田小にこにこすくーる】子ども支援のための研修:スタッフのスキルとマインドセットを強化し、”チーム”として子どもに関わる

1. はじめに
子どもたちの放課後に寄り添い、見守っていく中で、発達の特性における「グレーゾーン」や「支援を必要とする児童」に対するかかわり方が重要になっています。今年度行った研修は、スタッフが特性のある子どもたちと向き合う際に、指針となるスキルとマインドセットを得られることを目的とし、実施しました。この研修を通じて、スタッフがどのように成長しているのかをご紹介します。

2. 研修の目的
研修を行う中で、以下の点を目標に企画・実施を行いました。
•スタッフの心理的負担を軽減し、自身のかかわり方に肯定的な気持ちをもって活動できるようにする。
•拠点内で共通の目線や認識を持ち、チーム単位で子どもとのかかわり方を考えることができるようにする。
「グレーゾーン」とは、明確な診断はないものの、発達の特性において支援が必要な子どもを指します。このような子どもたちと向き合い、寄り添っていく中で、スタッフによって認識やかかわり方に差がある状態で勤務していると、どうしてもスタッフ一人ひとりが、心理的負担を抱えてしまうことが多いのではと感じていました。

3. 研修対象者
この研修は、拠点内で子どもと関わるすべてのスタッフを対象に行いました。特に以下のような悩みを持つスタッフに向けて設計し、実施しました。
•これまで研修を受けてきたが、実践で活かせているという実感がない。
•自分が行う子どもに対する支援の方法が正しいのか、合っているかどうか不安。
•支援後に「うまくいかなかったな」と感じることが多い。
•一人では対応できないことが起きそうで不安。
•グレーゾーンのとらえ方が難しい。

4. 研修内容
「発達支援研修」 全6回、各回2時間の研修で、スキルとマインド面をワークや事例検討を通じて理解することができるよう設計し、実施しました。具体的な内容は以下の通りです。

1.目線合わせのためのワーク~みんなが考えるグレーゾーンとは~
◯スタッフ全員が「グレーゾーン」について共通の理解を持つためのワークショップです。「この行動をする子は、こういう特性があるよね」と対話をしながら、特性と必要な支援についてすり合わせを行います。

2.セーフパーソン~子どもの特性を色でとらえる~
◯子どもの特性を色で表現することを学びます。子どもの特性を7つ(7色)にわけて定義した上で、実際の子どもの行動から何色に当てはまるかを考えたり、気になる子どもの色分けをすることで、その日の子どもの特性や状態などに共通の目線をもってとらえることができるよう目指します。

(実施のようす)

 

(配布資料)

3.セーフパーソン~困った行動の理解~
◯子どもの困った行動の背景にある理由について考える事例検討を行います。子どもの表面的な行動だけに焦点を当てた声かけをしがちですが、その背後にある理由や気持ちについて考え、寄り添うことで、よりニーズをとらえた支援ができたり、信頼関係が構築されることを目的とします。

4.セーフパーソン~肯定的言葉かけ~
◯困った行動があった際には、肯定的な言葉かけを心がけます。子どもの行動に対して、「ダメ」や「なにしてるの!」などの否定的な言葉かけではなく、「○○しましょう」のように次回の行動を促すような声かけや、行動の理由に対して、「○○したかったんだね」などの寄り添う意識を持った声かけを行うことで、子どもの自己肯定感を損なわないようなかかわり方を学びます。

そのほか、今後は以下のような研修を実施予定です。
5.セーフエリア~スモールステップ~
6.セーフグッズ~合理的配慮~

5. 研修の成果とまとめ
研修を受けたスタッフからは、多くのポジティブなフィードバックや感想をいただきました。
•「考えが違うと見方も違うと感じた。とても実態に即していると感じる。
•「精神的に負担が減ることを実感し、みんなで一緒に考えることが大切だと感じた。
•「研修を通じて、子どもたちに対するかかわり方が変わり、自信が持てるようになった。」 など

この研修を通じて、発達の特性における「グレーゾーン」や「支援を必要とする児童」に対する理解を深め、共通の目線をもって子どもに寄り添う意識が持てるようになってきていると感じています。

子どもとのかかわり方に悩むことは日常茶飯事ですが、その中でも心理的負担を抱えすぎず、みんなで共有し、チームとして子どもに関わっていく形が、子どもも大人も含めてインクルーシブな空間であると信じています。この研修が、その一助となることを願っています。

文・峡田小にこにこすくーる/土井

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