【トキワ松学園アフタースクール】やりたいを実現する!トキワ松アフターマルシェ
2022年12月。
トキワ松学園アフタースクールで「ウィンターマルシェ」というイベントを実施しました。子どもたちが自ら企画してお店屋さんを出すイベントです。
11月初旬から出店の希望を募り、6グループがお店を出すことになりました。
「アクセサリー屋さん」「もけい屋さん」など販売系のお店だけでなく、「ポイントゲーム屋」「カーレース」などゲーム系のお店も多いのが特徴です。それぞれが独自の工夫を凝らしていて、オリジナリティあふれる魅力的なお店ばかりです!
お客さんたちは「モル」という単位(子どもたちが決めました)のお金をつかって、様々なお店に行き、思い切り楽しみます。今回は、校長先生をはじめとする学校の先生や警備の方も足を運んでくださり、子どもと一緒に楽しんでくださいました。
今ではずいぶんスムーズにいくようになったこのような「子どもたち主体のイベント」ですが、始めた頃は右往左往の連続でした。
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ことの始まりは2021年の夏。
感染症の広がりが暗い影を落とす中、地域のお祭りは中止が多くなっていました。少しでも夏らしいお祭りの気分を子どもたちに味わってもらいたいと、アフタースクールで「夏祭り」を企画することにしました。
せっかくやるならと、トキワ松で初めて「子どもたち主体」での企画・運営にトライしてみよう!ということになったのです。
早速子どもたちで作戦チームが組まれ「夏祭り大作戦!!」という作戦会議が開かれました。
思い思いの「やりたいお店」をみんなで考え、作業の分担を決めていくのですが、みんな初めてのことで何をどうやって進めていったらいいのかわからず、立ち往生。話し合わなければいけないところで、どうしてもふざけてしまう子がいたりと、てんやわんやでなかなか前に進みません。
スタッフ側もイベントの企画・運営から子どもたちに任せていくのは初めての経験で、どこまでリードしていけばいいのか、どこをサポートしたらいいのか、子どもと一緒に迷いながら走っているというのが正直なところでした。
ドタバタしながらも少しずつ進む方向が見えてくると、そこからの子どもたちはすごかった!!
エンジンがかかったように色々なアイデアを出し(大人もびっくりなアイデア満載!)、お店に必要なものをどんどん作り上げていきました。
ところが、あと少しで本番!という時期になって、感染症の影響により夏祭りを含むすべてのイベントを中止せざるを得ない状況になってしまったのです。
これには子どもたちもガッカリ、、、せっかくやる気満々だったのに、すっかり意気消沈してしまいました。
しかし、ここで引き下がるわけにはいきません!
感染症も少し収まってきた秋に「ハロウィン!秋祭り!」と題し、ハロウィンと夏祭りを合体させたイベントに変更して実施することにしたのです。
子どもたちは「準備する時間がたっぷりできた!!」とポジティブな気持ちに変換し、お店の商品をたくさん増やしたり、せっかくならもっと多くのお友達や先生に来てもらおう!と招待状を書いたりと、できる工夫はなんでもやって準備を進めていきました。
そして、当日は見事に大盛況!!
今までにないくらいたくさんのお友達(お客さん)がアフタースクールに来てくれて、賑わいに賑わいました。
子どもたちはといえば、自分たちでつくったお店にお客さんが来てくれるのが嬉しくて、どの子も張り切ってお店を切り盛り!休む間もなくお客さんが来るので「ぜんぜん遊べないよ~!」と言いながらも満面の笑顔、笑顔。嬉しい悲鳴です。
いつもはふざけてばかりで頼りない気がしていた子が、すごく張り切ってしっかりお客さんの対応をしていたり、少し控えめな子がモリモリお店を仕切っていたり。
普段は見ることのできない一面も垣間見えて、新たな発見がたくさんありました。
面白いもので、子どもたち自身が作って運営しているお店の楽しさは、お客さんとして来てくれた子どもたちにも伝わるのですね。どんなに楽しく準備を進めてきたか、どんなにやる気に満ち溢れて誇らしくお店をやっているか、それが伝わることで来てくれたお客さんも心から楽しめるのです。
そこは「やらされている」「受動的」という言葉が1mmもあてはまらない空間でした。その場にいる子どもたちの笑顔が、目が、キラキラ輝いているのがその証拠でした。
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このイベントの経験を通して「子どもたち主体」の大切さを実感したのは、むしろスタッフの方でした。
子どもたちに任せる、というのは少なからず心配な気持ちもあります。
「それだとうまくいかないかも、、、」「こうしたほうがいいんじゃない?」など、おせっかい心が働いて、つい口を出しすぎてしまうことも多いのです。
でも、少しうまくいかなかったとしても、あるいは大人から見たら「もっとこうしたらよかったのに…」と思うことがあったとしても、子ども自身が「こうしたい」と思ってやることこそに価値があり、彼らの「満足感」「経験知」につながるのだということを学びました。
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初回では右往左往していた子どもたちも、3回目を迎えた今回は、今までの経験を活かし、準備~当日の流れ・片付けに至るまでとてもスムーズに作業を進めることができました。
また、自分のお店の準備以外にも、当日の準備・飾りつけ・受付業務や売上表記録、そして最後の片付けまで、子どもたち自ら分担してやってくれて、たくましく頼りになる成長した姿を見せてくれました。
家族でのご予定がある中、予定を調整して準備や当日に子どもたちを送り出してくださる保護者のみなさまをはじめ、学校の先生方や警備の方など、たくさんの方々にあたたかく見守っていただけることに深く感謝しながら、トキワ松の「マルシェ」はこれからも子どもたちの「やりたい!」をかなえる場として発展し続けていきます!
文・トキワ松学園アフタースクール/前川