【開智アフタースクール】放課後の「つながり」から学ぶこと
こんにちは、開智アフタースクールです。
アフタースクールでは、子どもたちの「好き」や「得意」を伸ばしてもらえるよう、様々なプログラム(体験活動)を実施しています。同時に、プログラム以外の時間でも、子どもたちは「自由」で「主体的」な時間を過ごしています。
今回は、放課後の自由な時間の中でみられる子どもたちのエピソードや、近くで見守っている我々大人たちの想いをお伝えできればと思います。
放課後では、「今日は何して遊ぶ?」「○○、校庭行こうぜ!」などの会話がありふれています。でも、そのように気軽にほかの子を遊びに誘うことが、少し苦手な子もいます。
ある1年生の女の子(Aさん)は、ボードゲームが大好きです。いつも一緒に遊んでくれる人を探しています。
Aさんは、友達を誘う前に、スタッフのもとにやってきて「一緒にこれやって!」と声をかけてきます。声をかけてくれたら一緒に遊びに入ることも多いですが、この日はあえて「まずは一緒にやってくれそうな他の子を誘ってみたらどう?」と伝えてみました。
するとAさんは、少し顔を曇らせながら、遊ぶ相手を探しはじめました。そして、「ねえねえ、これ一緒にやらない?」と、勇気を出して誘ってみます。
でも、「これから宿題やらないと」や「今は本読みたいから無理」と、断られてしまいました。その様子をスタッフも心配そうに見守ります。
それでも根気強く他の子にも声をかけ続け、ついに一緒に遊ぶ相手が見つかると、「○○ちゃんが一緒にやってくれるって!!」と、満面の笑みを浮かべながら、伝えに来てくれました。
スタッフは、子どもたち一人ひとりとのつながりを大事にしていますが、放課後では子どもたち同士のつながりやその小さな社会を大事にしたいと強く思っています。
放課後では、一人ひとりにそれぞれの選ぶ過ごし方があります(もちろん誘いを断った子にも)。そしてその時間の中で、子どもたちは自分自身でつながりを築いていきます。
Aさんも勇気を出して声をかけてみたからこそ、相手が応えてくれたことが本当に嬉しかったのだろうし、そのつながりから生まれた喜びは、もしかしたらこの先もAさんの背中を少しだけ押してくれることがあるかもしれません(Aさんは忘れてしまっているかもしれませんが・・・)。
子どもたち同士で遊んでいると、遊びのルールをめぐって衝突してしまうことは少なくありません。「○○がルールを守らない!」「全部○○がルールを決めちゃうからつまらないんだ」と、不満の声があがることもしばしば。
そんな時には、子どもたちが衝突せずにみんなで楽しめるように、見守っている大人がルールを決めてあげる。それも一つの解決方法です。
でももっと大切なのは、何かをめぐって対立してしまった時こそ、子どもたち自らが気持ちや考えを自分の言葉で伝え、納得できる解決方法にたどり着くことだと思っています。
大人でも子どもでも、衝突するのは当たり前。自由な時間だからこそ、決まりきった一つの答えはなく、意見が対立することも多いです。その時にお互いがどのような気持ちだったか、どのような行動が相手に理解されなかったのか。
子どもたちを見守る立場としては、大人としての判断を下すだけではなく、子どもたち自身が言葉にして伝える、決めるという瞬間を大事にしたいと思っています。でもうまく気持ちを言葉にして伝えることができないときは、我々も手を差し伸べながら、一緒に考えます。
日々の遊びの中にはそのような瞬間がたくさんあり、子どもたちは多くのことを学ぶことができる時間だと感じています。
自由な放課後という時間だからこそ、子どもたち自身が選び、考え、決める瞬間がたくさんあります。
楽しい、嬉しいことばかりではなく、悲しさや悔しさ、衝突も納得できないこともあります。でも、その時に子どもが感じたこと、言葉にして伝えたこと、何かを乗り越えて子どもたちの中で新しいつながりが築けたこと。
小さなことかもしれませんが、その一瞬一瞬の積み重ねで、少しずつ成長していくのではないでしょうか。
より多くの子どもたちにとって、放課後がそのような時間であることを強く願っています。
文・開智アフタースクール/田中