【あつまれ谷中っ子】ステヒロ・プロジェクト ~地域の方と一緒に子どもを育てたい~
谷中小学校放課後子供教室(あつまれ谷中っ子)では、谷中小学校に通う子どもの保護者であり、近所でアトリエ「DEN WORKS」を営む職人さんが取り組む「ステヒロ・プロジェクト」と連携した工作プログラムを行っています。
ステヒロ・プロジェクトとは、台東区内のあらゆる工房や店舗で出る廃材(今まで産業廃棄物として捨てられてきた木材やビーズ、ガラス瓶、べっ甲など)を捨ててしまわずに、子どもたちの工作材料として再利用するという取り組みです。「捨てる神あれば拾う神あり」から「ステヒロ」と命名されました。
5月には、職人さんが廃材の木片を小さく切って工作に使いやすいように準備してくださり、子どもたちがボンドを使って自由に木工作を楽しむプログラム「Woody World」を行いました。
子どもたちは、材料を見ると「やりたーい!!」と歓声をあげ、自分の順番が来ると木片の形をよーくながめて並べてみて、何を作ろうかと真剣に考えていました。
子どもたちの頭の中で、どんな世界が創造されて形になっていくのか、見ているだけでワクワクする瞬間です…!
あっという間に剣を作って、格好よく構えて見せてくれました!
ドラムを作った子も!どんな音が出るかな?
お友だちと一緒に街を作った子もいます。高いビルにパン屋さん、ベンチのある公園もあります♪
浅草の街並みを作った子は、木片で鳥居や提灯、建物などを作り、空き箱の絵を切り抜いて、浅草を行き交う人の様子も再現しました!
普段の工作材料とは違ったスペシャルな材料を使って、大満足の作品が仕上がり、みんな嬉しそうに持ち帰りました。
また、6月からはじまった、高学年の子どもたちでミニチュアハウスを作る「ミニチュア部」でも、このプロジェクトでいただいた材料を使っています。
プログラムの企画段階から職人さんにご相談して、テーブルや椅子などの家具を作りやすいように木片を小さく切りそろえていただきました。
子どもたちは、自分の気に入った布や画用紙を貼って、センスの光るステキな家具を作り始めています。こちらは、放課後の時間で仕上げて持ち帰る普段の工作とは異なり、日々少しずつ作業を進める形で、じっくり取り組んでほしいと思っています。
どんなミニチュアハウスがつくられていくのか、これからがとても楽しみです。
今まで地域で捨てられていた廃材が、こんな風に工作材料として新たな価値を得て、子どもたちの創造力を育てることにつながっていくことは、SDGs的観点だけでなく、「地域で子どもを育てる」を目指している私たちにとってとても大切な活動の一つです。今後もぜひこの輪を広げていきたいと思っています。
文・谷中小学校放課後子供教室/野上