【国際】BUSHIDO 2016 1日目 日本の文化を学ぶ①
こんにちは。インターンの川崎です!
今回から、荏原文化センターで行われた品川区の中学生向け国際人育成ワークショップ「BUSHIDO 2016 おもてなしプロジェクト」を全4回に分けてご紹介いたします!
「日本のいいところってどこ?」
「日本人ってどんな人?」
「日本には、どんな文化があるの?」
そう聞かれると、子ども達のみならず、我々大人も「これだ!」という答えを持っていないことに気付かされます。
しかし、グローバル化が進む世界では、自国の強みや特徴を発表する力は必要不可欠であり、その機会は確実に増えてきています。
その主な例が2020年に開催される東京オリンピックです。日本に多くの外国人が集まり、今よりももっと国際交流の場は広がっていくことでしょう。
今回のプロジェクトは、中学生が「空手」「だし」「茶道」の3つのテーマから日本文化を学習し、それを「外国人」に「英語」で「プレゼンテーション」するものです。子ども達にとっては、確かな日本文化の知識を外国の方に発信するという大きなチャレンジです!!
日程は以下の通りで、
1、2日目は「日本の文化を学ぶ」
3日目に「原稿作り・英訳」
4日目に「プレゼンテーション準備&外国人の前で発表」
この記事では、1日目の「日本の文化を学ぶ」を紹介致します!
夏休みに向けて中学校では大掃除ラッシュ!
掃除を終えてすぐに会場に集まってきてくれた子ども達。中には制服のまま集まってきてくれた子も!
いよいよ、プログラムスタートです!
まずは、品川区地域振興部協働・国際担当課長の河内さんから激励のお言葉を頂き、プロジェクトの主旨を説明をしていただきました。
初めましてのお友達が多かったので、自己紹介!
いよいよコースに分かれて学び始めます!
一チームずつ当日の様子をご紹介していきます。
まずは、株式会社BUSHI・DO代表で、公認スポーツ指導者である新倉哲朗先生による、「空手」コースです。
新倉さんは、空手のみならずレスリング、ボクシング、キックボクシングの経験も豊富。特にキックボクシングではプロとして活躍されていたという正真正銘の「武道家」です!
初めは、日本の文化を語る上で欠かせない「ある漢字」について!
武士道、柔道、剣道、花道、茶道、、、もう、お気付きですよね?
そう「道ードウー」です。
「道」とは、己を鍛えることや感謝する心、謙虚な心を総称する言葉で、武道において日本が生み出した独自の感覚だと教えていただきました。
どんなに凄くても、どんなに偉くても、どんなに力が強くても「道」がなければ意味がないと、新倉さんはおっしゃいました。
しかし、この感覚は日本独自のものであるために外国の方には通じないのだとか。力や数字には現れないモノに重きを置く。そんな「道」の精神を是非プレゼンテーションにも生かして欲しいです!
つづいて、「消えつつある道」についてです!
先述した「道」が消えかかってるスポーツがあるそうです。それは「柔道」です。
「柔道」はオリンピック種目になってから「JUDO」になり、「道」を失いかけているといいます。
勝者が技を決めた瞬間に見せるガッツポーズ。あれは相手をしてくれた人に対する無礼にあたり、相手がいてくれたからこそ「勝ち負け」が存在するという「道」の考えに反しているといいます。現に剣道では勝敗が決した後、ガッツポーズなどのパフォーマンスをすると失格になってしまうルールがあるそうです!
続いては、スポーツと武道の違いについてです!
ズバリ、「誰」に「かつ」かです。
スポーツは「相手」に「勝つ」ことが目的ですが、武道は「自分」に「克」ことが目的です。
この「克」という言葉には、重圧や欲望に耐えるという意味があり、「己」に「克」を忘れずに持つ「心」つまりは「克己心」を胸に戦うか否かという違いもあると教えて下さいました。
最後は「型」の練習です!
正しいフォームを動画で確認し、いざ初「正拳突き」!
ポイントは突き出す拳ではなく、引く方の拳!
引く動作をキレよく行うと、よりカッコよくそして早く正拳突きを繰り出せるそうです!これは目からうろこです!
続いてご紹介するのは料理長を務めたり、料理教室を主宰したり、雑誌やイベント用のレシピを監修したりと大忙しの料理家、大黒谷寿恵先生による「だし」コースです!
まずはさっそく、先生が用意してくださった「合わせだし」を飲みました。
全員から「おいしい!」という意見が!
おいしい合わせだし。材料は昆布、鰹節、水のみ。たった3つの材料でできるんです。
とてもおいしいだしがひけることを知った子どもたち。
だしはなぜおいしいの?なにからひけるの?
歴史はあるの?様々な疑問が浮かんだところで座学の時間です。
日本のだしは、主に“乾物”からとれるということ。
わかめや、魚の骨や、シイタケ、干しエビなどなど・・・・・・
知っている乾物を積極的に答える子もいました。
次にだしの歴史を学びました。
始まりは中国で、偉いお坊さんが下のお坊さんに料理したことがきっかけだそうです。
そしてだしは室町時代に、鰹節は江戸時代に登場しました。
昆布は、北海道から船(北前船)で運ばれていたとか。
子どもたちは、配布され資料や持参したノートにたくさんメモをしていました。
次に、昆布の食べ比べをしました。
日高昆布、利尻昆布、真昆布、羅白昆布。1つ1つしっかり味わっていくこどもたち。
先生は昆布の幅や味、だしの濁りなどの違いを教えてくださいました。
また地域によっては、だしの種類がなんとなく決まっているところもあるのだとか。
ここで大事なのが、「自分の好きな味をわかっていること」だと先生はおっしゃっていました。
そして次は、おなじみ鰹節について学びました。
鰹節の種類について知り、カツオのぬいぐるみも使って理解を深めた後、削り器を使って削りたての鰹節を試食しました。
鰹節は昆布だしと合わせると、なんとうまみが8倍になるのです!これにはこどもたちもびっくり。実際に二つのだしを混ぜて試食してみました。
だしについて今まで知らなかったことたくさん学んだ1日目。
2日目もだしについてどんなことが学べるのでしょうか。
最後にご紹介するのは、裏千家正教授の中村静子先生による「茶道」コース!
まずは、お茶の種類についてのお話しでした。
抹茶、煎茶、ウーロン茶や紅茶などは全て同じ木から作られているものであり、昔は“お薬”として用いられていたそうです。お茶が“お薬”であったことに驚きの反応がありました。
お茶と共に食べるお菓子にも2種類あり、また月ごとにお菓子の種類が決まっているそうで、お正月には「松」などと季節を感じることができるお菓子をだすそうです。
お茶だけでなく、季節を感じることができるお菓子も茶道の楽しみの一つです。
またお菓子以外にも季節を感じるものが茶室にはたくさんあり、掛け軸もそのひとつとのことでした。
「“滝”という文字が書かれていて、下の方が滝の水が落ちるように描かれているので、涼しさを感じられることができるのです。」という先生の説明を受け、掛け軸をじっと見つめる子ども達。軸にまで意味があるなんて…と驚きの連続でした!
他にも、花が飾られているかごも“蝉”の形をしていたり、お茶碗も涼しさを演出するためにガラスの茶碗を用いるなどという説明がありました。
訪問してくださるお客様に対しての、おもてなしの心から、お菓子、掛け軸や使用する茶碗などを用意することが分かりました。
座学の後は、ついに茶道の実践です!
まずはおじぎの練習。最も丁寧なお辞儀「“真”のお辞儀」、少し軽めのお辞儀「“行”のお辞儀」そして会釈のような軽い「“草”のお辞儀」を練習しました。
頭をさげた後に、ゆっくり体を起こすことで丁寧な振る舞いに見えるというアドバイスを受け、実践してみると見違えるほど綺麗なお辞儀になりました!
練習したあとは、お茶を建てる実践を行いました。
先生が流れを見せてくださいました。
指、手の使い方や道具の配置場所など細かな動きが多いため、先生の動きを見ながら、実際に手を動かし練習をしている子ども達。
細かな動きは、お客様が飲むお茶を丁寧、美しくそして美味しいものにしようという心遣いからだと感じることができました。
そして、ついに実践です。教えてもらった通りに挑戦しますが、やはり難しい!
しかし、先生は動きばかり意識するのではなく、飲んでもらう相手を想ってお茶をたてることが大切だということでした。大変深い話でした。
そして最後にたてたお茶を皆で飲み、1日目は終了しました。
2日目は、さらに踏み込んで日本文化を学んで行きます!
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