【オランダ視察②】教育センターについて
代表理事の平岩です。
オランダ視察のご報告の第2弾です。
「教育センター」が今回のテーマです。
視察の期間中、
「ハーグ市:教育センター」に行ってきました。
この教育センターとは一言で言うと、
「学校、先生をサポートする機関」と言えます。
中に入らせていただく機会をいただきました。
様子をご紹介いたします。
中に入ると、色々な教育雑誌などが自由に読めるようになってます。
そしてテーマに応じた、教材などの展示がされています。
上から見るとこんな様子です。雰囲気も明るいです。
学校で使う家具なども並んでいます。
2階にあがると、たくさんの教材が所狭しと並んでいます。
日本と比べてカラフルで楽しそうな教材が多い印象です。
こういうのもありました「紙芝居」。
紙芝居を読んでもらったり、自分で作ったりするのは、
よい学習になるようで、フランスなどでも広がっているとのことです。
なぜこれだけ教材が揃えているのでしょうか??
なぜならオランダには
「検定教科書」というものがないからです。
教科書は民間の教材会社が作ります。
もちろん国の検定はありません。
学校が自分たちに最もあったものを選ぶのです。
ですので、
この教育センターにたくさんの教材が展示会のように並び、
先生方がそれを選ぶことをサポートしているわけです。
日本の教科書は検定教科書で、
「唯一の答えの書いてある場所」
のように捉えられています。
1人1冊配られます。
なので、1冊1冊にあまりお金はかけていけません。
(近年それでも工夫された教科書に進化していますが)
しかし、オランダでは
「学ぶためのツール」
という位置づけのような気がします。
教材1つ1つはリッチで日本よりもお金がかかっている印象です。
民間の会社の制作ですので、
「より面白くより学びを深く」と工夫もされています。
教材は、コピーして使えるように工夫されていて、
学校はその教材を長く使います。だから1つ1つはお金がかかっています。
その教材がこのセンターに揃っていて、
専門の解説員さんも常駐します。
教育センターは他にも、IT教育を研究する部屋があったり、
研修の部屋も多数ありました。
先生方はここで開催される多くの研修にも
参加するそうです。
学校主催の研修(例えばチームビルディング)を
ここで開催することも多いそうです。
他にもこのセンターでは
常に「最先端の世界の教育」も研究し続けているそうです。
当日も展示されていました。
その事例を聞くことも出来るそうです。
この「教育センター」は、
1970年頃からのオランダの教育改革を背景に設置が進んだそうです。
当時から今までオランダが追いかけているテーマは、
「画一から個別へ」
というものです。
オランダもこのテーマを
もう50年近く追いかけているわけです。
一律の画一教育から一人ひとりを大切にした個別教育への
シフトを進める中で、
国として学校を支える仕組みの1つが
この教育センターと言えると思います。
前回のブログでも記載した
「オランダ教育の3つの自由」
・学校選択の自由(学区はない、家庭が自由に学校を選択)
・学校設立の自由(200人集めれば誰でも学校を設立出来る)
・教育方法の自由(教材や教育方法は学校が決める)
この3つの自由を保障するために、
国がしっかり周りを固めているわけです。
このような徹底的な教員サポートの姿勢を
このセンターで拝見しました。
日本でも
「教育センター」のような名前の施設を拝見しますが、
どうもこのように使われている感じがいたしません。
オランダの教育センターの持っている機能の中で
特に秀逸だと感じたのは下記の3点です。
・教材の網羅(多くの教材、家具等が揃っている)
・最新教育の研究(常に新しい事例を吸収出来る)
・雰囲気の明るさ(施設が入りやすく、快適に学べる)
このような点を参考にした
学校や先生をサポートできる施設、
日本にもあるといいのにな、と感じました。
新しい施設を建てずとも、
今ある建物をいかして十分に出来るように感じました。
オランダの教育を支える教育センター、
勉強になる施設でした。
報告者:平岩 国泰
【オランダの視察報告】
(第1弾)イエナプラン教育の小学校
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7bdc.html
(第2弾)教育センター
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-48ea.html