小学生の時、図工の時間に粘土をしました。
授業が終わり、使ったお皿を棚にしまおうとすると、
図工の先生が大きな声で言いました。
「平岩君のお皿を見てください、使う前よりキレイにしてくれました!」
この日のことを今でも覚えています。
「このお皿は、自分が使ったことでキレイになった」
少年の私には「これが自分が嬉しいことなんだ!」と感じました。
「自分が生きたことで、人や社会が幸せになる」
大人になり、いつしか自分の人生の指針に昇華しました。
気づかせてくれたのは、幼き日の図工の先生の一言でした。
30歳になり、子どもを授かりました。
産まれてきた子どもの姿に使命感が湧きました。
「私が生きたことで、幸せにするのはこの子たちだ」
子どものための活動を始めてみると、
色々な問題に気づくようになりました。
中でも最も気になったのは「自己肯定感」です。
自己肯定感は、平たく言うと
「自分でいい」「ここにいていい」と思える気持ちです。
これが日本の子どもは、世界の中で極端に低いのです。
自己肯定感は一人では育ちません。
誰かに認められて大きくなっていきます。
そして、自分の好きなことで認められるのが最高です。
アフタースクールでそんな時間が生まれることを願っています。
一方で社会を見回すと、
子どもたちを襲う悲しい事件が後を絶ちません。
地域で子どもたちが日が暮れるまで遊んだ放課後は、
遠い過去になりつつあります。
学校と家庭の関係も変わり、学校に大きな負担がかかっています。
非常に子育てが難しい時代になり、
学校、家庭、地域、それぞれが孤軍奮闘しています。
それらの力を繋ぎ合わせ、また社会を巻き込んで子どもたちを応援するのが
「放課後NPO」だと思っています。
私たちは自分たちをミツバチに例えることがあります。
社会には子どもたちのために力を貸してくれる人がたくさんいて、
私たちはそれを飛んでいって集めて、
子どもたちに届けます。
まさにミツバチのような働きなのです。
私たちが培ってきた「アフタースクール」の仕組みを
ぜひ日本全国に届けて、
日本中の放課後を安全で豊かな時間にしていくのが、
私たちが目指す夢です。
法人を始めて10年は「自分たちで理想のアフタースクールを作る」ことを
目標にやってまいりました。
次の10年の目標は「全国でモデルとして使っていただく」ことです。
ぜひ全国のお仲間と協働したいと願っております!
「パパは子どもが好きだから、子どもたちのための
会社を作ったんでしょう?」
幼い娘が私にふと言った日がありました。
笑って流しましたが、全くその通りです。
娘が私の生き方を教えてくれました。