お友達や周りの人にうまく自分の気持ちが伝わらず、もやもやを抱えてしまうことは子どもたちにとってよくあることです。ご家庭と学校の間にあるアフタースクールでは、毎日心に積み重なったちりやほこりが満タンになって噴き出してしまうこともしばしばです。
ある日「一緒に遊んでいたお友達の行動が嫌だった」という訴えから、突然泣き出したAちゃん。以前もAちゃんは同様のことがあり、その時は落ち着かせてあげるのに少し時間がかかってしまいました。今回も前回同様。「私の話を最後まで聞いてくれない!」と訴えるAちゃん。
私はその時初めて理解しました。
Aちゃんはお友達に謝ってもらいたいわけではなく、ただただ自分のこのもやもやした感情を受け止めてほしかったのです。
きっかけはお友達とのささいな一件ですが、Aちゃんはその他にも日々の積もり積もったものを出したかったのではないかと思いました。きっと「思い切り泣きたいデー」だったのでしょう。
お迎えに来たお母さんに「前回より泣いている時間が短くなりました。」と報告すると、笑って「ありがとうございます」と言ってくださいました。
Aちゃんにとって、なんとも言えない感情をうまく出していくことはまだ難しいようです。
でも、水道の周りの壁が水しぶきで濡れていた時、それを教えてくれて雑巾で拭いてくれたこと。下の学年の子が、Aちゃんの作っていたカードの端を間違えて切り落としてしまった時、怒りもせず反対側も同じように切り落として「これならバランス良いよね」と言ったこと。
私たちは知っています、Aちゃんが日々成長していることを。
成長の速度は人それぞれです。子どもたち一人ひとりの今に寄り添う、そんなアフタースクールでありたいと思います。